年収3割減覚悟 彼女は商社安住よりベンチャー選んだベンチャー企業に転職しました(1)

――実際に働いてみて、大企業とベンチャーはどのような点が異なりますか。

「大企業では業務が部署ごとに細分化されていますが、今の職場は部署の垣根が低いですね。ボールがあちらこちらに落ちていて、気づいた人が拾い、好きな方向に投げているようなフラットな環境です。個々の役割が非常に広いので、『与えられた守備範囲から一歩踏み出し、新しい課題に取り組むのが好きな人』に向いているのではないでしょうか」

「また、大企業では前例踏襲が多くなりがちですが、ベンチャーでは踏襲すべき前例がほとんどないので、とにかくどんどん事が進みます。当初はそのスピード感に驚きました。半面、会社、業界ともに急速に成長、変化していくので、常に自分をアップデートする必要性を痛感しています。『何とかついていかなくては』という心地よいプレッシャーを感じながら、社内外の人脈づくりにいそしんだり、ファイナンス、プログラミングの勉強を続けたりしています」

人事部からひとこと

人事採用部 菱沼史宙部長

長尾さんは当社が特に必要としていた (1)M&Aの経験 (2)会計の知識 (3)語学――という3つの要件がぴたりとはまった稀有(けう)なケースでした。

IT系のベンチャー企業としてはITリテラシーに乏しい人を採用しにくいところがありますが、長尾さんは経歴書の趣味の欄に「プログラミング」と書くほどでこの要件もクリア。唯一、以前勤務していたのが大手企業だったため、「ベンチャーの環境に合うか」ということが懸念材料になりました。ただ、この点についても本人からは「新たなチャレンジを楽しみたい」という前向きな意見が聞け、トントン拍子で採用が決まりました。

当社の中途採用では、学歴や前職のフィルターをかけない代わりに「カルチャーフィット(カルチャーが合うか)」を重視しています。採用の過程では「入社後に何をしたいか」「どういうことに取り組もうとしているか」を必ず聞き、「ないものを自分で作っていくタイプ」か「会社が敷いてくれたレールを進むのが好きか」をはかるようにしています。

自身の成長だけでなく社会的な課題に向き合って解決していきたいと思う人は特に歓迎です。例えば、当社のミッションは「人々のお金に対する悩みを解決、軽減することを通じて社会に貢献する」です。社の根幹ともいえる考えにいかに共感できるか、自身の言葉でうまくアピールできると採用過程でプラスに働くと思います。

マネーフォワード
2012年設立、17年東証マザーズ上場。従業員数約700人、19年11月期の連結売上高は71億5600万円。利用者数約900万人に上る家計簿アプリで知られるが、売上高の約6割を法人向けのクラウドサービスが占める。

(日経キャリアNET編集チーム 宮下奈緒子)

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