スマホ単体では差別化が難しい時代に

今回、3つのアップル製品を使いながら感じたのは、スマホ単体だともはや差別化が難しくなっているということだ。最近は、低価格で高性能なスマホも数多く登場している。単にスマホとしての機能や性能を比較すれば、価格の高いiPhoneを選び続ける理由はほぼ見当たらない。

ただし視点を周辺機器まで広げると話は変わってくる。

使い勝手抜群のApple WatchやAirPods Proと親和性が高い点は、他社のAndroidスマホにはない大きなアドバンテージだ。特に、Apple Watchはライバルが不在で、スマホと連携して快適に使うためには、iPhoneが手放せない。iPhoneからAndroidスマホに乗り換えた人の中には「Apple Watchを使えなくなったことが一番困った」という人もいるという。

19年に関して言えば、iPhone 11 Proは想定内のバージョンアップにとどまったが、Apple WatchとAirPodsが大きく進化した。これはスマホ単体ではなく周辺機器も含めたインテグレーションで差別化する時代に突入したということだろう。この流れはアップルだけでなく、Galaxyシリーズを発売するサムスンなどでも、顧客を囲い込む戦略として広がっていくはずだ。消費者がスマホを買い替える際の目線も変わってくるだろう。

3台のアップル製品を購入して見えてきたのは、スマホ単体ではなく周辺機器も含めたインテグレーションで差別化する時代に突入したという点だったという
津田大介
ジャーナリスト/メディア・アクティビスト。「ポリタス」編集長。メディア、ジャーナリズム、IT・ネットサービス、コンテンツビジネス、著作権問題などを専門分野に執筆活動を行う。近著に「情報戦争を生き抜く」(朝日新書)。

(構成 藤原達矢=アバンギャルド、写真=吉村永)