勤務の場所自在 ママがママ呼ぶ医療会社の型破り人事

日経DUAL

2020/1/22

在宅でも遠方でも全メンバーがSlackでコミュニケーション

出社するか、在宅で仕事をするかも、各人がその日の朝、自分で判断する。どこでも仕事ができる体制を可能にしているのが、チームコミュニケーションツールの「Slack 」だ。

メンバーは全員、Slack上でつながっており、朝、仕事をスタートすると、「おはようございます」という挨拶をし、「今日は〇〇と〇〇の業務を進めます」と自己申告する。チームごとに設けた個別チャンネルでは、メンバー同士が業務の進捗を逐一報告し合い、直接話し合いたいことができたら、その場でオンライン会議を行う。ランチで席を離れる際には、「昼食に入ります」、仕事が終了したら「お疲れさまでした」などと一言声をかけるのがルールだ。細かな運用ルールを設けることで、自宅でも会社でも関係なく、チーム仕事ができる体制を整えている。

朝の仕事始めはSlack上で挨拶をする

「働きやすさ」を守るため、急ぎの仕事は極力受けない

クライアントごとに設けたチームで仕事を行い、進捗状況を常に共有しているのは、突発的な事態にも対応できるようにするため。「子育て中のメンバーは、お子さんの急病などで急に仕事に入れなくなることもありますが、チーム制なら、誰かが急に抜けることになっても、他の人がすぐにフォローに入ることができます。また、小さな子どもがいる30代のメンバーだけでチーム編成をするのでなく、子育てが終わって比較的時間の自由が利く50~60代のメンバーを一緒のチームにするなど、組み合わせを工夫しています」と川島さん。

「その日のうちにしなければならない仕事」をなるべく減らしているのも、メンバーの「働きやすさ」を守るための工夫だという。

同社では、顧客である医師やクリニックからの依頼でも、原則として「きょう中に」「大急ぎで」という依頼は極力受けない。

どこまでも「メンバー本位」に見えるクラウドクリニックだが、体制づくりの根底には、悪い人、ズルをする人はいないという、性善説があるという。「クラウドクリニックの存在目的である『使命』をみんなが意識して、組織自体が何のために存在し、将来どの方向に向かうのかを常に追求しつづけるから良い人しか集まらないんです」と川島さんは言う。

「メンバーは皆、まじめすぎるくらい、まじめなところがある」と話す川島さん。「特に短時間勤務のメンバーは勤務時間中に一言もしゃべらないくらい根を詰めてしまいやすいので、『もっと話そうよ』、と私がせっせとお茶を入れたりお菓子を配ったりしているんです」(川島さん)。 

有給休暇も「子どもに何かあったときのためにとっておきたい」と、使いたがらないメンバーが多いことから導入したのが「アニバーサリー休暇」。1年に1日、自分で自由に「記念日」を決めて、休暇をとっていいことにしている。取得する日は、子どもの誕生日でも、自分の誕生日でも何でもOK。「その日は何の記念日なのか」と確かめることもしないという。「とにかく、きちんと休んでほしい。働いた分、休息をとることが大切」と川島さんは強調する。

(取材・文 柳本操、蓬莱明子=日経DUAL編集)

[日経DUAL 2019年7月11日付の掲載記事を基に再構成]

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