地方配属、ためらうのは損 チャンスに変えた先輩の話

2020/1/14

入社を目前に控え、配属地が気になる新社会人も多いだろう。近年は地方配属を敬遠する学生も多いと聞く。未知の土地での生活は人間としてもビジネスパーソンとしても価値観を広げるチャンスだ。先輩社員とキャリアコンサルタントに充実した生活のコツを聞いた。

企業のトップに会える

「全く知らない土地で不安はありましたが、今は公私ともに充実しています」。野村証券の久留米支店(福岡県久留米市)に務める高橋勇貴さん(26)は声を弾ませる。

横浜市出身の高橋さんは法政大学を卒業後の2017年、久留米支店配属の辞令を受けた。大都市での生活から一転、縁もゆかりもない福岡第3の都市へ。娯楽が少なく、友人は一人もいない状況からのスタートだったが「大都市で勤務する同年代の友人と違い、仕事の裁量が大きいし企業トップの人に会えるのが魅力」と話す。

高橋さんの仕事は新規顧客の開拓や金融商品の販売、経営相談など多岐にわたる。午前中に電話で営業をかけ、午後は外回り。製造業や運送業、物流業など多くの地元企業の経営者と面談する。

「第2の故郷」知る姿勢

仕事を始めてすぐ「地方は人同士のつながりが強い」と気づいた高橋さん。周囲になじむため、地元経済や歴史、課題を図書館などで学んだ。「初任地は第2の故郷。まずは知ろうとする姿勢が大事」(高橋さん)。勉強熱心な面が買われ、顧客に「君の人柄が気に入った」と取引先を紹介してもらうこともあった。

数十人規模の支店では、入社3年目の高橋さんも大きな戦力だ。営業から商談までを一任されているほか、新人の指導役「インストラクター」として部下も1人任されている。「責任は大きいですが、その分やりがいもあります」(高橋さん)

土日はレンタカーを借りて大分や長崎に足を延ばす。「大分の名物とりてんを食べて、おいしくてびっくりした」とすっかりお気に入りだ。「私生活を充実させるのも仕事を頑張れるコツ。久留米にきたことは人間としても社会人としても刺激になっています」

生かせ偶然

社会人の配属は自分の意思ではどうにもならないもの。初任地で充実した生活を送るために必要な心構えは何か。キャリアコンサルタントの多田健次さんは、キャリア論で有名だったスタンフォード大学の故ジョン・クランボルツ教授の教えを引き合いに出し「偶然をチャンスに変える発想が大事」と話す。

多田さんによると「個人のキャリアは予期せぬ出来事や偶然で決まる」と説いたというクランボルツ教授。(1)好奇心(2)持続性(3)楽観性(4)柔軟性(5)冒険心――の5つのスキルがキャリアの充実には必要だとの考え方だ。

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