神の庭と呼ばれるインドの村 人々支える「生きた橋」

日経ナショナル ジオグラフィック社

2020/1/22
ナショナルジオグラフィック日本版

インド、メガラヤ州の東カシ丘陵にある、生きている根の橋を渡る子供たち。こういった橋は、傾斜が激しいこの地域の村をつなぐものとして欠かせない(PHOTOGRAPH BY GIULIO DI STURCO)

インド北東部、メガラヤ州。「雲の住みか」という意味の名前を持つこの州では、モンスーンの季節になると、エメラルド色の谷や深い渓谷を雨水が勢いよく流れる。アッサム地方とバングラデシュに挟まれたこの高原は、地球でも有数の多雨地帯。その一帯に住むカシの人々は、森に深く根ざした生活を営む。

メガラヤ州有数の観光地チェラプンジにある2段になった根の橋。成長する観光産業が地元の経済を支えている(PHOTOGRAPH BY GIULIO DI STURCO)
マウリノンでは、すべての村人が環境保護を担う。公共の道路や場所は、毎日掃除される(PHOTOGRAPH BY GIULIO DI STURCO)

近代的な建築資材が利用できるようになるずっと前から、カシの人たちは荒れ狂う川を超えて点在する村々をつなぐ巧みな方法を生み出していた。インドゴムノキの根を用いた「生きている橋」だ。

マウリノンの教会に通う少女(PHOTOGRAPH BY GIULIO DI STURCO)

確かな支えとなるように、木は両岸に植えられる。そして、15年から30年ほどをかけて、竹製の仮の足場に沿ってその根を這わせ、橋をかける。やがて湿度と歩行により土が踏み固められ、根は絡まり合って太く、強くなる。完成した橋は、川や谷の5メートルから75メートル上にかかり、かなりの重さにも耐えられる。一度に最大35人が渡れるほどだ。

干されている色鮮やかなシーツ。マウリノンの村にて(PHOTOGRAPH BY GIULIO DI STURCO)
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