自分を守るほどリスク拡大 越境できる道をいくつつくれるか?

メガバンクや電機メーカーなどの大企業からの転職は、ごく初期の頃に退職するアーリーリタイア層は希少価値があり、転職先の選択肢も豊富にあることが多いのですが、希望退職募集がニュースになってから出ていく場合には、市場への人材供給量が増加することで相対的に市場価値が低下し、行き先が見つかりにくくなるという傾向もあります。

時間が経過するほどに自分の年齢も上がり、年齢的な需要のハードルも高まってしまうため、今回のような時代の構造的な地殻変動への対応は、1分でも1秒でも早く動くに越したことはありません。

50歳を超えて「キャリアのはしごを外されてしまった」という状況になってから嘆いても遅すぎて、実行可能な打ち手はきわめて少なくなってしまうおそれがあります。「何となくではあるが、今の会社で将来の自分のキャリアに不安がある」と少しでも感じているなら、今すぐにでも、せめて「対策を検討する」ことは始めるべきだと思います。

新卒入社して以来、同じ会社に勤め続けている場合など、環境が大きく変わらないまま20年以上経過して、年齢も40歳を超えてくると、思考や行動習慣が固定してしまい、変化することが難しくなります。社内での経験値が上がり、ポジションもできあがってくるので外部から変化を求められることもなくなります。よほどのことがない限り、自ら変化するモチベーションも生まれにくくなります。

ニュースや友人・知人のリストラ体験など、変化を感じる情報が耳に入ってきても、「正常化バイアス」が働き、自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりしてしまうようになります。「自分だけは大丈夫」「今回は大丈夫」「まだ大丈夫」などと思い込むことで問題を先送りすることになるのです。しかし、一度変化が始まったら世の中の時流は決して逆戻りすることはありません。

そうやって自分を守れば守るほど、変化対応が遅れてリスクが増大することになります。40歳からのキャリア不安に対策案を練るためには、まずは自分の中の固定観念や過去の常識を取っ払う必要があります。

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中長期での大胆な変化を、小さく刻みながら進める