お金の助言者は本当に味方? 顧客本位か団体が審査

写真はイメージ=PIXTA
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人生100年時代にはマネープランの作成や資産運用に関するアドバイザー(助言者)の存在が重要になる。金融機関に属さない独立系助言者は「顧客の味方」に見えがちだが、中には高い手数料の商品を勧めるケースもある。誰が真に顧客本位か、「見える化」する動きが本格化する。

独立系助言者にはライフプランなどの相談に乗るファイナンシャルプランナー(FP)、株式や投資信託などを仲介する金融商品仲介業者(IFA)、商品を売らずアドバイスに徹する投資助言業者などがいる。

最近の注目はIFA。「独立系金融アドバイザー」と紹介されることも多いが純粋な助言者ではない。

IFAは株式や投資信託などの販売を金融機関に仲介し、販売手数料や信託報酬の一部をもらう販売業者だ。かつて証券会社などに属していたが、ノルマ重視に嫌気が指して独立し、顧客に寄り添おうとするIFAも多い。一方で高い手数料の商品を頻繁に売買させるIFAもいる。

顧客本位のIFAを増やそうと4月、「ファイナンシャル・アドバイザー協会」が本格稼働する。IFA大手のガイア(東京・新宿)など主要IFA4社が発起メンバーで、ガイアの中桐啓貴社長が代表に就く見通し。楽天証券、SBI証券なども支援する。

収益を預かり資産で割った「資産収益率」などの指標を使って、IFAが回転売買をさせていないか審査するほか倫理綱領なども設定。顧客に開示する情報の共通化も検討している。どこまで厳しい基準を設定するのか、結果として顧客本位の姿勢を持つIFA業者をきちんと選別できるかが今後の注目点だ。

金融商品を一切販売しない助言者だけを正会員に認定するのが、近く本格稼働するNPO法人「みんなのお金のアドバイザー協会(FIWA)」だ。理事長は投資教育家の岡本和久氏で、著名FPや大学教授、弁護士なども参加する。

認定対象は主にFPと投資助言業者。商品を販売せず助言料を相談者から得ることなどを認定基準にする。フィデューシャリー・デューティー(顧客本位の業務運営)宣言を金融庁に届け出ることも求め、違反があれば協会が公表する。

独立系FPの中にはIFAや保険代理店を兼ね、割高な投信や不必要な保険を売るケースもある。投資助言業者は商品販売が禁じられているが、投資残高に応じた定率報酬が多いため、過大な投資を勧めることもある。FIWAは真に顧客本位のFPや投資助言業者を「見える化」する。

顧客はFIWAのサイトから、ライフプランやマネーの基本的な考え方を知りたい場合はFP、具体的な投資助言が欲しい場合は投資助言業者などを選んで相談できるようになる。正会員が増えてくるまでには数カ月程度かかりそうだ。

(編集委員 田村正之)

[日本経済新聞朝刊2020年1月11日付]

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