橋本環奈 女優業は「全力で攻略するから楽しい」

日経エンタテインメント!

『0キス』では自由に行動したり、恋愛もままならないスターの苦悩も描かれる。老若男女に知られる存在となった橋本も、共感するところはあったのだろうか。

「私もやっぱり、人目を気にする生活ではあるなと思いますね。車の運転をしていても、誰かに写真を撮られていないかなと思ったりして、気疲れするというか。一時は気にし過ぎて、お店では個室じゃないと、とか、一番端の席に、とかもあったんですけど、そういうことを気にしていたらキツイしキリがない。原宿や渋谷を歩いていても、楽しめないんですよ。だからこの1~2年で、気にしないようになりました。むしろ周りが気にしてますね。『(自由に動き回る)環奈が心配だ』って(笑)。

完成した『0キス』は、とにかく胸キュンできる作品になっていると思います。でも突発的に胸キュンシーンがあるわけじゃなく、2人がいろんな苦しみを乗り越えていく青春モノとして成立しているので、ストーリーもしっかり楽しめる。同世代だけでなく、上の世代の方にも自信を持ってオススメしたいです」

何事もチャレンジで、前に進んでいきたい

橋本の女優としての魅力について、『キングダム』の松橋真三プロデューサーは、「存在するだけで作品を明るくできる希有な人。演技力も確かだし、現場のみんなと仲良くなる力もあるので、ムードメーカーになってくれる。子どもからも人気で、女性にも嫌われない」と語る。また『0キス』の新城毅彦監督は「華があるのに身近に感じられるところが魅力。演技面ではコメディの引き出しが多く、シリアスなシーンも問題なくできる。繊細に気持ちを作って、ちゃんと観客に伝わる微妙な表情をしてくれる」と女優としての力を語る。

20年1月には主演映画『シグナル100』が公開になる。目を覆いたくなるようなスプラッターシーンも続出のR15+スリラー映画だ。2月には21歳になるが、20代はどんな女優を目指したいと考えているのか。

「これからはもっと挑戦的な作品にも取り組んでいきたい――そう考えて、20歳になって初めて取り組んだ作品が『シグナル100』だったんです。これはスリラーですけど、シリアスなものやドキュメンタリーチックな作品も自分は好きなので、今後はそういうテイストの作品もやってみたいですね。そして、役柄としては高校生役が多かったので、これからはOLとかキャリアウーマンとか、働く女性の役もやってみたいです。

今感じる女優業の楽しさは、簡単ではないところ。楽しいことって、つらいことだと思うんですよ。ゲームと一緒で簡単にできたら楽しくないですし、全力で攻略するから楽しいわけであって。お芝居も、役を作っていくために自分の中にいろいろな要素を入れて、できないと思ったことをできるまで頑張るという楽しさがある。あと、お芝居をしていると『ハマった』と思う瞬間があるんですよ。役に、というより、シーンにハマった、みたいな。そういう的確な演技ができた瞬間も楽しいです。

今度の2月で21歳になります。この1年はお酒が飲めるようになって、出会いの輪が広がった年でした。2020年もいろいろな人に出会って、時には失敗して。30代になったときに人間味のある女優さんになれるよう、何事もチャレンジで、前に進んでいきたいと思っています」

『シグナル100』
『セーラー服と機関銃 -卒業-』以来4年ぶりの単独主演作となるスリラー。教師に「自殺催眠」をかけられた36人の高校生の壮絶なデスゲームを描く。共演は中村獅童、小関裕太、瀬戸利樹、恒松祐里ほか(1月24日公開/東映配給) (C)2020 「シグナル 100」製作委員会

(ライター 泊貴洋)

[日経エンタテインメント! 2020年1月号の記事を再構成]

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