小沼 迷わず青年海外協力隊に参加します。僕が協力隊でシリアに行ったのは2005年ですが、僕は、現在のほうが協力隊に参加する意義はずっと大きいと思っています。

クラウド上にありとあらゆる情報が集まっている時代だから、単純な知識とかファクトにはいくらでもアクセスできるようになりました。だからこそ、これから大切なのは、自分が得た情報をどう知覚するか。どう感じて、どんなエネルギーをもつか、ではないか。ただ、情報を得るだけではなく、リアルな経験によって自分が「なにかをしたい」という意志の総量がどれだけ増えるかが、とても大事なんじゃないかと思うんです。

吉野 「なにかをしたい」という情熱や問題意識を若い人にも持ってもらうのが難しいと感じています。アドバイスはありますか。

小沼 吉野君はどう思う?

吉野 僕は現場に行って感じてほしい。海外でもいいし、裁判の傍聴でもいい。興味があるわけではない現場に行くと、関心の範囲を広げられると思う。

小沼 なぜ現場に行くといいんだと思う?,

吉野 知らなかったものに興味をもつようになるからかな?

小沼 なぜそれが大事なんだろうか?

吉野 問題がそこにあることにも気づくから??

小沼 でもさ、インターネットで調べられるじゃない?

吉野 五感でしょうか。現地で見聞きした方が「自分ごと」になると思います。

小沼 僕も、そう思う。本とかネットでただ見ただけの情報ってアクションにつながらないことが多い。けれど、現場にいくと、目の前の人のためになにかしてあげたいと思うようになる。利他的な脳の動きがおきると思うんですよ。共感力というのかな。吉野君が言った「自分ごと化」だよね。どうやったら自分が感動するのか。頭より心を動かす体験をするために、現場に行くのが大事だと思う。

クロスフィールズが展開している「留職」はまさにこの考え方です。サラリーマンが数カ月かけて新興国の社会問題を解決すべく奮闘する。知見を得るだけでなく、リーダーシップも身につけて日本に帰国し、そのエネルギーを日本の職場に伝える。それが留職の大きな狙いです。

もうひとつ、僕は「周囲の大多数は興味をもっていないけれど、自分は面白そうだと思っている現場」に行ってほしいと思っています。人と違っても、自分の興味関心に正直に怖がらずに動いてほしい。これは、本当は大人に聞いてほしいことなんですよ。子どもがちょっと特殊な方向に興味を示したときに、周囲に同調させず、その動きを見逃さないように親は気をつけてあげるべきです。子どもの自発的な動きをどうやって応援するか。これからの世の中、金太郎あめのような人材はもう必要とされないわけだから。

吉野 ところで、そもそも論なのですが、社会課題ってなんだと思いますか。