ノロ感染と誤解 我慢してはダメな危険な下痢・吐き気

日経Gooday

写真はイメージ=(c) Nattakorn Maneerat-123RF
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日経Gooday(グッデイ)

ノロウイルスをはじめとしたウイルスの感染によって起こるウイルス性胃腸炎。吐き気や腹痛に加え、激しい下痢が起こるが、放っておいても自然に治る病気なのであわてることはない(前回記事「ノロに感染? 急な下痢、受診の見極め方と対処法」参照)。しかしときには、ウイルス性胃腸炎とは似て非なる病気ということもある。前回に続き、感染症に詳しい総合診療医・感染症医の岸田直樹さんに、放置してはいけない「危険な下痢・吐き気・腹痛」を聞いた。

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岸田さんによると、ノロウイルスなどで起こるウイルス性胃腸炎は「放っておいても自然に治る『おなかの風邪』」。抗菌薬はウイルスに効かないし、対症療法は症状を緩和するだけなので、あえて医療機関を受診する必要はないという。特に「下痢・吐き気・腹痛」の3症状がそろっているとき、水っぽい下痢が出るときはウイルス性胃腸炎の可能性が高いので安心していい(詳しくは前回記事「ノロに感染? 急な下痢、受診の見極め方と対処法」をご覧ください)。

写真はイメージ=(c) Anton Estrada-123RF

しかし、一見ノロウイルスなどのウイルス性胃腸炎に見えても、医療機関に行った方がいいケースもある。ときには深刻な病気が隠れていることだってある。そこで今回は、受診すべき「危険な下痢・吐き気・腹痛」とはどんなものか、岸田さんに具体例を挙げてもらった。

(1)黒色便・血便が出る

下痢はウイルス性胃腸炎の代表的な症状だが、その「色」には注意する必要がある。血が混じっている便や真っ黒な便が出ている場合、軽く考えない方がいい。消化管から出血している可能性が高いからだ。

「はっきりと血の色が見える血便は小腸や大腸からの出血、黒い便は胃や十二指腸など上部の消化管から出血していると起こります。血液が降りてくる間に長時間胃酸や酵素、腸内細菌などに触れることで黒くなるのです。いずれにせよ、消化管から出血している可能性が高いので、ただのウイルス性胃腸炎ではない。すぐに受診するべきです」(岸田さん)

(2)吐き気だけが24時間以上続いている

ウイルス性胃腸炎の特徴は「下痢・吐き気・腹痛」の3症状。中でも吐き気は真っ先に表れる症状で、続いて下痢が起こるようになる。

「ウイルス性胃腸炎であれば、通常、吐き気は24時間程度でピークを超えて治まってきます。したがって24時間以上たっても吐き気だけで、下痢を伴わない場合はウイルス性胃腸炎にしてはおかしい、ということになります」(岸田さん)

ウイルス性胃腸炎であれば、吐き気は24時間程度でピークを超えて治まってくることが多い ※岸田さんの話を基に作成

吐き気は多くの病気で表れる症状だが、吐き気だけのとき可能性が高いのは脳梗塞や脳出血、くも膜下出血といった脳血管障害だ。女性の場合、妊娠ということも意外に多い。

「飲食をした後でもないのに血が混じるほど強い嘔吐(おうと)をした、頭痛を伴う、という場合はさらに脳血管障害の可能性が高くなります。急性虫垂炎は後で説明するように右の下腹部の痛みが特徴ですが、最初は吐き気とみぞおちの痛みが見られます。また、心筋梗塞では胸の痛みを伴う吐き気が見られますが、心臓の下のほうは胃に近いため、胃の痛みと間違われることがあり注意が必要です。ただし、心筋梗塞では下痢は見られません」(岸田さん)

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