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日本人だけ大好き、コーンスープの謎 欧米では影薄く

フランスでこの時期の定番・カボチャのポタージュ=PIXTA

その道のプロや専門家が信頼性の高い情報を提供する総合情報サイト「オールアバウト」でフレンチ(フランス料理)のガイドを務める嶋啓祐さんに聞いてみた。すると、「フランスでは、この季節(冬)はカボチャやカキ、カリフラワー、秋はシャンピニオン(キノコ)やシャテーニュ(栗)、春はホワイトアスパラなど、季節性のある食材をよくポタージュにします。でも、コーンのポタージュはフランスではあまり聞かないですね」とのこと。

トウモロコシが採れる夏の季節はグリーンアスパラのポタージュが一般的だとか。

ちなみに「ポタージュ」はフランス語でスープ全般のことを指し、野菜を裏ごししたり小麦粉をバターで炒めたものを入れたりしてとろみをつけたものを「ポタージュ・リエ」、澄んだものは「ポタージュ・クレール」と呼ぶ。つまり、「ポタージュ=スープ」なので、「コーンスープ」も「コーンポタージュ」も同じ意味である。

前出のポッカサッポロフード&ビバレッジでも「スープ」「ポタージュ」と両方の名前がつく商品があるが、その違いについては「特にルールはありません」とのこと。

話を元に戻そう。開国後の日本では西洋の要人を招いての晩餐会(ばんさんかい)が行われ、その公式料理としてフランス料理が採用された。こうして日本に入ってきたフランス料理の「ポタージュ・リエ」の技法を使ってコーンスープ、コーンポタージュが作られ、一般的な料理として広まったのではないだろうか。

それにしても、欧米ではあまり見かけない、キャンベル缶にラインアップされていても不人気というのはどうしたわけだろうか。

前出の嶋さんは「フランスやイギリスでは、トウモロコシは飼料として作られる方が多く、穀物というイメージが強いのかもしれません」と予想する。米国のトウモロコシの生産事情も同様で、大部分が飼料用とバイオエタノールの原材料だ。日本人はトウモロコシは「野菜」と認識しているが、欧米人は「穀物」と認識している人も多いという。

英語の「corn」は「主たる穀物」の意味であり、ヨーロッパの一部の地域でコーンといえばコムギなどのほかの穀物を意味していたとも聞く。厳密にトウモロコシを指す英語は「maize」であるが、それは学名の「Zea maize」からきているようだ。なので、「コーンスープ」と聞いて日本人が「野菜スープのバリエーションの一つ」とイメージするのに対して、欧米では「生きていくのに必要なカロリーを下支えする穀物のスープ」というイメージを抱くのかもしれない。

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