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「子守」が始まったのは3億年前? 新種化石に証拠

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ナショナルジオグラフィック日本版

カナダ東部、ノバスコシア州のケープブレトン島。今は典型的な北方林が広がるこの島は、3億6000万年前から3億年前ごろの石炭紀と呼ばれる時代、太古の巨大植物が茂る亜熱帯の湿地だった。

化石になって残るそれらの幹や根の中からは、当時このあたりに生息していた動物の化石が数多く見つかっている。ぐちゃぐちゃになってしまった化石も多いが、なかには生きているそのままで埋もれてしまったかのような保存状態の良いものもある。

今回、この島で石炭紀の生物の新種が見つかったほか、当時から「複雑な子守」が行われていた可能性も浮上している。2019年12月23日付けの学術誌「Nature Ecology & Evolution」に論文が発表された。

寄り添うようにして見つかった

論文によると、今回出土したのは約3億900万年前のバラノピド科の化石。見た目はトカゲのようなバラノピド科は、哺乳類の祖先に当たる単弓類に属すると考えられてきたグループだ。今回の化石の足の後ろには、尻尾で取り巻いた状態の小さな頭骨も見つかった。成体と同じ種の幼体のものに見える。

「このグループの動物では、これまで見つかった中で最古の子守の例だと考えています」と、論文の共著者で、カナダ、カールトン大学の古生物学者であるヒラリー・マディン氏は話す。

化石から子守のような行動を推定するのは、少し飛躍しすぎと感じるかもしれない。しかし、バラノピド科の生物が大小寄り添うようにして見つかった化石は、これが初めてではない。以前に南アフリカで見つかった化石では、成長した個体が前足で複数の子どもたちを覆い、まるで子どもを守ろうとしているように見える。今回カナダで見つかった化石もそれに似ているが、4000万年ほど古い。

オーストラリアのタスマニア大学でトカゲの子守について研究している進化生態学者のジェフリー・ホワイル氏は、「もちろん直接見ているわけではないので、複雑な行動を推測する場合は十分注意する必要があります」と述べる。「しかし、この化石は親子の交流の証拠と解釈できます。また、こうした交流がなければ、子守がさらに複雑な形態に進化することはありません」

子守の進化解明へのカギ

ただし、大小の個体が親子かどうか、また成長した個体がメスかどうかはわからないという。それでも、論文の著者らは、「木」と「面倒を見る母親」という意味のギリシャ語と、先住民ミクマク族によるケープブレトン島の名前にちなみ、この新種にDendromaia unamakiensisという学名をつけた。

恐竜の子守に関する証拠を発見したことがある米モンタナ州立大学の古生物学者デビッド・バリッキオ氏は、「化石に残された記録から複雑な行動を証明するのは、とても難しいことです」と言う。しかし、この化石はとても保存状態がよく、隠れ家のような場所に一緒にいる成体と幼体のものであるという点には、同氏も賛同している。そのため、子守の「証拠となる可能性が高い」という。

「この化石から、哺乳類の祖先における子守の起源は早かったらしいことがわかります。恐竜でも子守をしていた証拠が増えつつあり、それが鳥にも引き継がれました。両グループの子守の起源は数千万年、ひょっとすると数億年さかのぼることになるかもしれません」

ホワイル氏は、親と子どもが一緒に過ごし始めたことは、複雑な子守へと進化するために欠かせないステップだったのかもしれないと言う。現在の鳥や哺乳類、爬虫類は、卵や子どもを守ったり、子どもに食べものを与えたり、食べものの探し方を見せたりと、さまざまなレベルの子守を行っている。

「ある種のなかでこうした交流が習慣になれば、親が子どもを守ったり食べものを与えたりといった、さらに高度な子守に向けて進化する可能性があります」とホワイル氏は話す。ただし、今回発見された新種でこういった子守が行われていたかどうかは、化石からはわからない。

ホワイル氏によると、トカゲは従来、子どもの面倒見が良いとは考えられてこなかったが、「今では、100種近くのトカゲやヘビで、親子の交流を示す証拠が見つかっています」と言う。こういった交流は証拠を見つけるのが難しいということを考慮すると、今後はその数はもっと増えるだろうと、同氏は見ている。

「Dendromaiaと同じように、現在の爬虫類からも子守がどのように進化し始めたのかについて重要な手がかりが見つかるかもしれません」

(文 TIM VERNIMMEN、訳 鈴木和博、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック ニュース 2019年12月26日付]

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