2019年はお笑い界に新しい波が訪れた。霜降り明星、宮下草薙、四千頭身ら“お笑い第7世代”と呼ばれる20代を中心とした若手芸人が躍進。彼らと共に新世代のトップランナーとしてバラエティ番組を盛り上げたのがEXITだ。カラフルなファッションに身を包み、「バイブスいと上がりけり」「おあとがヒュイゴー」など独特なチャラいフレーズを多用した“ネオパリピ漫才”で人気を集めた2人。明石家さんまを「シーフードパイセン」と呼ぶなど大御所のMCにも物怖じしない様子も視聴者にインパクトを与えた。19年の飛躍を彼ら自身はどう捉えて、今年はどこを目指そうとしているのか。

りんたろー。 振り返ると、環境が劇的に変わった1年でした。まず1月に『おはスタ』(テレビ東京系)のレギュラーメンバーに入れてもらえたのが大きかったです。
兼近 めちゃめちゃ波が来ました。ゴールデンの番組にバチバチ出られるようになったのも『おはスタ』のあと。
りんたろー。 朝の子ども向け番組に出られるとは思ってなかったんで驚きました。出られるとしても最終の最終だと思っていたから。チャラ男が市民権を得た(笑)。
兼近 3月くらいからは、街で若い人たちに話しかけてもらえるようになりました。特に女性のファンが一気に増えましたよね。
りんたろー。 そうそう。最初に世に出られたのが『ゴッドタン』(テレビ東京系)だったから、男性から声を掛けられるほうが多かったんですよ。
兼近 女性人気が出るなんて全く想像してなかったです。だって普通はチャラ男、みんな嫌いじゃないですか?
りんたろー。 結成当初は「毛嫌いされてもいいから漫才で結果を残そう」っていうスタンスだったんだよね。今年はハロウィーンで俺らのマネをしてくれている人が結構いてビックリ。街にいるチャラ男を取り入れたのがEXITなのに、チャラ男が俺らをマネしてる(笑)。
兼近 不思議な現象が起きてるんです。
『さんまのお笑い向上委員会』だけは怖かった
バラエティでは『ネタパレ』(フジテレビ系)や、『アメトーーク!』『ロンドンハーツ』(共にテレビ朝日系)など、あらゆる番組で引っ張りだこだった。その中で気持ちに大きな変化が生まれた仕事として、ある番組を挙げる。
兼近 『さんまのお笑い向上委員会』(フジテレビ系)がデカかったです。「もしかしたらこの先も、テレビでやっていけるのかも」って、可能性を感じられたというか。兄さんたちと絡んだときに、「こんな場所でも面白くしてもらえるんだ」って実感できて。
りんたろー。 あ、僕もそう思った。すごく芸人愛にあふれている場所でしたね。
兼近 いろんな番組で「収録楽しかった、よかった」っていうのがずっと続いてはいたんです。でも僕自身は『向上委員会』だけは無理だと思って、オファーを断ってたんですよ。キャリアのあるすごい先輩たちがワチャワチャしているところで、太刀打ちできないと思い込んで。でも「1回出てみてください」って、マネジャーとりんたろー。さんに説得されてチャレンジしたら、楽しかった(笑)。それ以来、想像だけで仕事を断るのはやめようと思いました。
りんたろー。 あの番組は特に、EXITをおいしくしてくれましたね。触ったらゴールに入るようなボールしかもらってない。ディフェンスしてないですもん。