まず1億円ためて自由になる だから楽しく長く働ける作家・橘玲さんに聞く(下)

日経マネー

写真はイメージ=123RF
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金融資産1億円を実現するためには、「長く働く」「早いうちから収入の一定比率を貯蓄・運用する」「共働きをする」ことが必要だ――。前回「お金の悩みから自由になる 1億円ためるための3原則」で、そう語った作家・橘玲さんに背景や考え方を聞いた。

◇  ◇  ◇

──運用だけが重要ではないのですね。

運用が無意味だというわけではありません。大事なのは「お金に働いてもらう」ことと、人的資本を活用し「働いて収入を増やす」ことの両輪で効率的に資産をつくっていくことです。

低金利が長く続く現在では、3%程度の運用利回りでも十分でしょう。つみたてNISA(少額投資非課税制度)を使い、為替ヘッジなしの世界株のインデックス型投資信託に投資すれば、年間2~3%でも、リスクを分散して資産を増やすことができます。

ただ、以前と違い金融資産から大きな収入を得ることが難しくなったので、「長く働くこと」「共働きすること」、すなわち人的資産の重要性がより高まっているわけです。これは日本だけでなく、世界でも起きている現象です。「できるだけ早くリタイアする」時代から「生涯現役を目指す」時代へと価値観は大きく変わっています。そしてこの状況は長く続くでしょう。

女性も50代から稼げる

──「そこまでして働きたくない」という拒否反応は、まだ日本にはあるように思います。

私は2年前に『専業主婦は2億円損をする』(マガジンハウス)という本を出版しました。共働きなら生涯の世帯収入が2億円増えるという主旨でしたが、アマゾンの評価コメントの95%が「女性がそんなに稼げるはずがない」「好きで専業主婦をやっているわけじゃない」などの批判的なものでした。

しかし女性でも遅くから働いて、なおかつ収入もやりがいも手にすることはできます。私の知り合いの女性で、50代で専業主婦から大手通信教育企業の非正規社員として仕事を始めた人がいます。その人は長く働くうちに若い同僚だけでなく、年下の上司からの信頼も得て、色々な相談事を受ける立場になりました。そして50代半ばで正社員になってくれないかと言われるまでになりました。

結局彼女はその申し出を断りましたが、70歳まで働くつもりだそうですから、総収入は5000万円を超えるでしょう。能力さえあれば、何歳から働き始めても十分に報われるのです。

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