長く続く咳、受診の目安は? 口腔ケアや加湿で予防

日経Gooday

写真はイメージ=(c) kimberrywood-123RF
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「咳(せき)」は、風邪のよくある症状の一つ。少しぐらい咳が続いていても「風邪が治っていないのかな」ぐらいで、そのまま放置することもあるだろう。では、2週間たっても咳が止まらない、人前で何度もせき込んでしまってつらい……。このような状況になったら、あなたならどうするだろうか。

●もうしばらく様子を見る
●市販の咳止め薬を使ってやり過ごす
●風邪以外の病気ではないか? と疑い始める
●医療機関を受診する

と、さまざまな対応が考えられるが、どんな咳なら様子を見ても大きな問題はなく、どんな咳だと危ないのか。長引く咳の見分け方と対処法について、呼吸器専門医の大谷義夫さんに聞いた。

◇  ◇  ◇

長引く咳、どこまでが風邪?

→普通の風邪なら2週間以内で治まる

そもそも咳には、体の防御反応としての役割がある。気道に異物や病原菌が侵入すると、のどや気管にあるセンサーが感知しすぐに脳に伝え、咳を出させて異物や病原菌を外に吐き出そうとする。この反応が「咳反射」だ。咳には、異物を絡め取った痰(たん)を吐き出す働きもある。そうやって、咳はホコリや細菌、ウイルスなどから体を守っている。

だから、咳は本来悪いものではない。けれど「あまりにも長引く咳には、注意が必要。風邪の咳なら、通常2週間以上は続くことはないからです」と大谷さんは言う。

大谷さんによると、風邪の8~9割はウイルスによるもの。風邪のウイルスが体内で増殖できるのはせいぜい2週間程度で、放っておいても体の中で免疫機能が働いて徐々に治っていく。つまり、ウイルス性の風邪なら安静にしていれば2週間もあれば治ることが多い。一方、細菌による風邪は、ウイルス性の風邪に比べて症状が重くなったり、長引いたりすることがある(だが、ウイルス性と違って抗菌薬で良くなることが多い)。そのため、2週間以上続く咳の場合、風邪以外の疾患の可能性もある。

「風邪なら受診しなくて構いませんが、2週間以上長引く咳は、治療が必要になることもあります」(大谷さん)。2週間が一つの目安と覚えておこう。

長引く咳で考えられる病気は?

→患者数では「咳ぜんそく」が一番多い

では、どれくらい咳が続くとどんな病気が考えられるのか。下の図のように、咳は持続期間によって急性の咳と遷延性(長引く)の咳、慢性の咳の3つに分けられる。

「咳嗽に関するガイドライン第2版」(日本呼吸器学会)掲載の図を編集部が改変

「急性の咳(3週間未満)の場合、多くは風邪やインフルエンザ、急性気管支炎、肺炎などの感染症が原因。3週間以上続く遷延性の咳の場合、肺炎や副鼻腔(びくう)炎のこともありますが、一般的に咳が長引くほど感染症が原因であることは少なくなります。8週間以上は慢性の咳と判断され、咳ぜんそくや気管支ぜんそくなど他の病気の疑いが出てきます」と大谷さんは言う。

また、2週間以上咳が続く場合に考えられる病名として、最も割合が多いのが咳ぜんそく、次に副鼻腔炎(後鼻漏)、逆流性食道炎と続くという。「鼻の病気である副鼻腔炎(後鼻漏)では鼻汁がのどに流れることで、逆流性食道炎では逆流した胃液がのどや気道に刺激を与えることで、それぞれせき込む原因となることがあります。私のクリニックで診察していて受ける印象では、2週間以上続く咳の半数以上が咳ぜんそくです」(大谷さん)

咳の症状が出る病気には、ほかにも誤嚥(ごえん)性肺炎、肺がん、肺結核、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、マイコプラズマ、百日咳、アレルギー性鼻炎、心因性の咳など様々なものがある。中には重い病気もあるため、軽視は禁物だ。

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