20年ほど前に大流行し、ここ数年再び注目を集めているフリースジャケット。保温性が高く、ダウンジャケットやオーバーコートに比べて軽量なため重宝するが、当時と同じ着こなしでは時代遅れに映りかねない。今、大人がフリースを着こなすならどうすればいいのか。そして、トレンド感のあるフリースとはどんなものか。東京・中目黒に店を構え、ファッション感度の高い常連が集うCoper(コペル)の店主、張ケ谷鉄平さんに話を伺った。
素材切り替え・ユニーク柄…「変化球」がトレンド
――人気のフリースジャケットですが、大人には取り入れにくいという声もあります。その点、張ケ谷さんはどう思われますか?
「確かにフリース素材のボリューム感に抵抗があるという方は多いですね。特に毛足が長いものはかわいらしい印象なので、取り入れにくく感じるかもしれません。でも、そもそもフリースジャケットは1970年代ごろにミリタリーウエアのライナーにも採用されていたり、アメカジの定番アイテムだったりと、本来は男らしく着やすいアイテムなんです」
――今年着るならどんなフリースがおすすめでしょうか?
「パタゴニアやTHE NORTH FACE(ザ ノース フェイス)といった王道ブランドもいいですが、今シーズンは『変化球』のフリースがトレンド。例えばフリース以外の素材で切り替えられていたり、ユニークな柄や色使いのものです。インパクトがある分、それ一着でかっこよく見せられます。使い勝手もいいですしね」
――なるほど。Coperはフリースジャケットを数多くそろえていますが、店頭でもユニークなデザインのものが人気ですか?
「そうですね。あとは、着用したときの顔周りの見え方を気にされるお客様が多いので、当店ではネック部分が深い前下がりになっていたりと、首回りにアクセントがあるものが特に人気です」
――フリースには毛足が短いものと、毛足の長いボアフリースがあります。それぞれどう捉えて着ればいいでしょうか?
「毛足の短いものはボリュームが抑えめなので、1枚上にロングコートやダウンジャケットなどを着られるのが魅力ですね。コーディネートの幅を広げやすいですし、重ね着することでさらに保温性も上がる。反対にボアフリースは単体でも存在感がありますし、一着でも暖かいのが特徴です。真冬のアウターはダウンやゴアテックスジャケットといったナイロン系のものが多い中で、こういった見た目にも暖かいアイテムは貴重だと思いますね」