思わずひれ伏す? 石にまつわる世界の聖地22選
今回は、石に関係するヨーロッパの聖地から、おすすめの22カ所紹介したい。
人類の歴史の中で、巨石や岩は精神的に大きな意味をもっていた。新石器時代には、何本もの巨大な石柱を並べて立てた人々がいた。祝祭や儀式のために、数トンある巨石が150キロ以上も運ばれた。
6世紀ごろには、苦行を求める修道僧たちが世俗を離れ、海からそびえ立つ岩だらけの島を目指した。その後数世紀にわたり、天国に近づこうとした他の修行者たちも、切り立った断崖にしがみつくかのような修道院を建てている。
多くの先人が歩いた道を、今ではあらゆる宗教の観光客がたどっている。神秘的な土地を訪れた人は時代をさかのぼり、過ぎ去った文明の謎や遺物を探って回る。
フランスのピュイローラン城など、かつての山上の要塞はハイカーが目指す頂になった。一方、巡礼者はギリシャのアトス山などの修道院で一夜の宿を請い、俗世とのつながりを断つ秘訣を修道士から学ぶ。
夏至には、世界中から1万人以上がイングランドに集まり、新石器時代の祖先が通った道をたどる。そしてストーンヘンジとエーブベリーにある聖なる石の輪の中で、朝日を浴びながらダンスとドラムに酔う。
こうした精神的・歴史的な地は、今も私たちの想像力をかき立て、尽きない魅力をあらためて教えてくれる。
次ページでも、石と関係する聖地を写真とともに紹介していこう。先人たちがひかれたものが、何なのかを写真から感じられるかもしれない。
(文 CHRISTINE BEDNARZ、写真 HARTMUT KRINITZ、訳 高野夏美、日経ナショナル ジオグラフィック社)
[ナショナル ジオグラフィック 2020年1月1日付記事を再構成]
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