人体や環境への悪影響を取り除く努力続ける
――商品の特徴を教えてください。
「ラ・ブーシュ・ルージュの化粧品にはマイクロプラスチックはもちろん、人体に有害なものは一切入っていません。なめらかな質感と発色の良さが特徴です。余計なものが入っていないため、皮膚本来の良さがよみがえってくるので、使うほど肌が乾燥しにくくなってきます。男女兼用で現在21色を展開しています」
――ケース(税別1万3500円)は革製で高級感があります。口紅は詰め替え(リフィル)タイプで税別4600円。詰め替えにこだわっているのですね。
「ケースは黒、赤、キャメル、ベージュ、水色など8色を用意し、シーズンによって色が変わります。というのも、ラグジュアリーブランドが使っている皮革の端材を素材にしているからです。ラ・ブーシュ・ルージュはラグジュアリーブランドです。こんな洗練されたケースならバッグから出した時の満足度も高いでしょう。リップクリームは男性にもとても人気があります」
「化粧品業界には無駄が多い。口紅は年間10億本が捨てられています。また口紅をかたどるシリコンの型は使い捨てで、年間3億個が処分されているのです。こうした無駄をなくすために私たちは口紅を金型で成型しています。べつに他のブランドを批判しているのではありません。環境に少しでも責任を持ちましょうということを発信したいのです」
――欧州での反響はいかがですか。
「NOプラスチックは高く評価され、パッケージのアワードも受賞しました。とても反響が大きく、英ハロッズや仏ボン・マルシェ、香港ジョイスなど高級百貨店へと販路が広がり、日本では昨年11月に伊勢丹新宿本店に出店しました。2020年は日本での出店数を増やします。また今秋には目元用の化粧品を投入します。目元は口元に次いで、体内に製品が吸収されやすい場所だからです。20年はマイクロプラスチックが体に及ぼす悪影響の詳細が、研究者によって明らかにされるでしょう。そうすれば当社製品への関心が一段と高まるはずです」
(聞き手はMen's Fashion編集長 松本和佳)
SUITS OF THE YEAR 2020
新型コロナウイルスの影響で、2020年は初のフルCGで作成した会場でのバーチャル授賞式。
時代の節目に挑み、大切なメッセージを放つ5人を表彰した。