インプレッサスポーツ 足回り磨き上げ、安全性も進化

2020/2/16
試乗車のボディーカラーは「マグネタイトグレー・メタリック」と呼ばれる新色。写真は試乗の途中で立ち寄った神奈川・川崎にあるスバルの東扇島物流センターで、輸出を待つ米国仕様車両とともに撮影した

最近はCセグメント車の静粛性も向上しているのだが、その中にあっても新型インプレッサは競合車種にひけをとらない水準を実現していると感じる。パワートレインには今回のマイナーチェンジでは手を入れられていないのだが、依然としてその競争力は衰えていない。スバルはいまや世界で唯一、水平対向エンジンを量産乗用車に搭載しているメーカーだが(ポルシェのような高級スポーツカーは除く)、そのこだわりは十分商品力に反映されている。

一方、部分改良で手を加えられたのがサスペンション。そのセッティングはどうか。今回の改良でスバルが目指したのが「WRX STI」に近い操舵応答性を実現することだったという。操舵応答性とは、ステアリングを切ってから実際に車両が旋回を始めるまでの特性のことで、この応答性が高ければ、ステアリングを動かした結果がすぐにドライバーに分かるため、必要な修正もすばやくできる。もし応答が遅ければ、操舵した結果を知るのが遅れ、そのための修正も遅くなり、さらなる修正が必要になる場合もある。この積み重ねがドライバーの疲労につながる。操舵応答性の向上はスポーツ走行のためではなく、日常的な運転でも重要な要素ということになる。

最高出力154PS、最大トルク196N・mを発生する2リッター水平対向4気筒エンジン。マイナーチェンジによるパワートレインの変更は、特にアナウンスされていない
インテリアの基本デザインは従来型と同様だが、パネル部分などでパーツ表面の仕上げを見直し、ドアからダッシュボードへの連続感を演出したという

足まわりの改良はSTIとの共同作業

現行インプレッサの開発でも操舵応答性を重視した開発が行われてきたが、今回さらにその性能を高めるために、WRX STIを開発したスバルテクニカインターナショナル(STI)がサスペンションのセッティングを担当した。今回の試乗会には、STIで実際にサスペンションの開発を担当したエンジニアも参加しており、聞くと変更しているのはダンパーのセッティングだけだという。具体的には、従来よりもダンパーの減衰力を高めている。これによりステアリングを切ったときの車両の応答性が向上し、ロールも抑えられている。

今回の試乗では主に高速道路を走行した。確かに段差を乗り越えたときの衝撃が従来よりも大きめに伝わってくる感じはするものの、その角が丸められているうえに振動もすぐに収束するため、不快感はない。ひとことで表現すると「コシのある乗り心地」ということになるだろうか。STIの開発担当者も「SGPの車体剛性の高さがあったからこそ、ダンパーの減衰力を高めても乗り心地が悪化しなかった」と語っていた。

そして肝心のステアリングの応答性だが、マイナーチェンジ前後のモデルで乗り比べをしたわけではないので直接の比較はできないものの、コーナリング時よりも、むしろ直進時にそのハンドリングの良さを感じた。実は直進時でも、ドライバーは微妙な軌道修正を繰り返しながら走行する。最新型ではステアリングの応答性が高い一方で、直進安定性がいいので修正舵が少なくてすむ。操作自体がラクなだけなく、走行していて安心感がある。これなら高速道路のロングツーリングも快適にこなせそうだ。

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