「政治は道具」伝えたい 24歳社長、中高時代に原点POTETO Media社長 古井康介さん

古井氏が政治に関心をもつきっかけとなった原体験は中学2年に遡る。通っていた富山市の公立中学では一部の生徒による暴力が横行していた。彼らが授業中にゲームで遊んでいても目をつぶり、他の生徒が柄物のTシャツを着ていただけで「ルール違反」と目くじらを立てる教師もいた。「こんな状況はおかしい」。学校を変えようと生徒会長に立候補した。

ところが、そんな教師らが驚きの行動に出る。対立候補を立て、生徒に「古井に投票したら部活をやめさせる」と迫る者まで現れたという。逆らえば高校進学時の内申書に響くかもしれない。結果、古井さんは30票の僅差で敗れた。

パワーを持つ側にならねば

この状況を他の教師やPTAが問題視したことで騒ぎが大きくなり、対抗馬を立てた教師は全員、離任。中3の春に改めて生徒会長に選ばれるが、一連の経験で痛感した。「パワーを持つ側にならなければ、自分が正しいと思ったことを叫んでも通らない」。自分が大事と信じることを守るためにはどうしたらいいのか。出世か、お金か、政治家になることか。とにかく「何かすごいこと」をして力を持たなければ――。そう決意した。

当時の自分に立ちはだかったのは苦しい家計だった。父の飲食店が08年秋のリーマン・ショックのあおりで経営不振に陥り、弟2人を合わせ3人の子を抱える一家の生活は厳しくなる。部活の用具は買えず、光熱費を弟のバイト代でまかなったこともある。それでも折よく始まった高校無償化と、進学先の高校の掲示板でたまたま見つけた奨学金制度が窮地を救ってくれた。こうした制度を作るのも政治。遠い世界の話に思われていた政治が、実は目の前の生活にかかわる大切なものだということを、身をもって知った。

「高校のとき『お金がない』って言うてもそこまでじゃないやろと思ってたら、父の年収が100万円ぐらいと分かり、びっくりしました」。笑って話してくれた

無理だとあきらめかけていた私立大への進学を果たし、「何かすごいことをやっていそう」と主権者教育のNPO法人に参加する。政治への信頼や関心の低さを目の当たりにし、自身がパワーを持つことへのこだわりは、次第に若い世代が政治に目を向け、その力をうまく使いこなすにはどうしたらいいのかという具体的な問題意識に姿を変えていった。

大学4年生だった17年の冬のこと。卒業後は内定先の大手人材会社へ就職と思っていたところが、PR事業を売り込みに行った自民党議員の何気ない一言に心が動いた。「来年の総裁選の候補者支援で、何かやろうと思ってるんだよね」。ふと頭に浮かんだのは、その年のフランス大統領選で勝利したマクロン大統領が演説する姿。パリのルーヴル美術館前に満ちた熱気の記憶は新しかった。事実上の総理大臣選びである自民党総裁選のゴールには、どんな光景が待っているのだろうか。「どうしてもかかわりたい」。内定は辞退し、大学を留年・休学した。

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