ビジネスで活躍 アナログ文字盤スマホ連携ウオッチ
特集 新年から取り入れたいトレンドアイテム(中)
新年を迎え、去年とは違うことにチャレンジしたい。そんな人に向けて、この特集では2020年に取り入れたい話題のアイテムを3回にわたって紹介する。「関心はあるけれど、何を選んでいいか自信がない」という人向けに、初めてでも失敗のない、そのジャンルの良さを実感できる製品をセレクトしている。
第2回に取り上げるのは、スマホと連携した腕時計。しかもアナログ文字盤のモデルを3つ取り上げる。アップルウオッチをはじめとするスマートウオッチも普及しているが、最初に手に入れるなら、スーツなどにも合わせやすいアナログ文字盤を選んではどうだろう。スマートウオッチに比べると機能は限られるが、電話やメールの着信通知など必要十分な機能を備えているものが多い。毎日充電する必要もなく、今までつけていた腕時計と変わりなく使えるはずだ。
着信通知と心拍計を搭載/フォッシル
時針・分針のあるベーシックなアナログ腕時計に、省電力の電子ペーパーディスプレーを採用したのがフォッシル「ハイブリッドHR」。ブルートゥース接続でスマホと連携、専用アプリとペアリングすることでさまざまな機能を使用できる。
常時点灯ディスプレーには、スマホに着信した電話やテキストメッセージが通知されるだけでなく、リアルタイムの天気や第二時間帯の時刻などの情報も表示可能。心拍センサーを搭載し歩数や消費カロリーといったアクティビティートラッキングにも対応する。
使い方によって変動するが、1回の充電で2週間以上使用可能。さらに急速充電にも対応しており、60分で80%充電できる。
「2019年11月初旬の発売後、早々に完売した」(フォッシルジャパンのPRスペシャリスト平野美恵子氏)。同年11月下旬に2回目の納品があったが、こちらも完売し、現在は入荷待ちという人気ぶり。「スマートウオッチにありがちなスポーティーなデザインに抵抗がある人や、必要最低限の便利機能を求めるビジネスパーソンに支持されている」と平野氏。バッテリーの持ちが長い点も評価が高いという。
1回の充電で約1カ月稼働/グラーゴム
ビジネスの現場やフォーマルな場面などでも違和感なく着用できるスマートウオッチを目指して製作されたのが「グラーゴム ワン」。電子ペーパーを採用したディスプレーの上に、長針と短針、2本の針を装備するハイブリッドモデルだ。
ディスプレーには消費電力の低い電子ペーパーを採用。満充電で約1カ月使い続けることができる。さらに時針と分針はボタン電池で駆動するため、電子ペーパーが表示できなくなっても時計として機能する(時針と分針の駆動期間は2年間)。
本体横のボタン1つで、ディスプレーをブラックかホワイトに変更できる。付属のバンドは工具を使わず簡単に交換できるイージークリックを採用。市販の22ミリバンドに対応するため、その日の気分やファッションにあわせて時計の表情を変えられる。
主なスマホ連携機能は歩数、心拍数、睡眠状態を計測する活動量計と、スマホの電話やメールの着信通知。LINEやインスタグラム、FacebookなどのSNSも通知できる。通知は文字盤上のアイコン表示と時計本体の振動で行う。
「ビジネスでもカジュアルでもシーンを選ばず着用できる上に、スマートウオッチの基本的な機能を搭載しているのが魅力」というのはグラーゴム ワンを販売するセールス・オンデマンドのマーケティング本部シニアマネージャー、二木晋氏。主な購入層は30~40代の男性で、オン・オフ問わずつけられるシンプルなデザインが支持されているそうだ。「日常的に歩数を計測できることも人気の理由」だという。
スマホ連携モデルで最薄/カシオ
スマホ連携機能を搭載したアナログ文字盤の腕時計に、ソーラー充電システム「タフソーラー」を搭載したのがカシオの「EQB-1000YD-1AJF」。同社のエディフィスブランドから2019年8月に登場した。ソーラー充電のため、定期的に時計を充電する手間から解放される。
驚くべきはその薄さで、ケース厚は8.9ミリ。同社のスマートフォンリンク機能搭載モデルで最もスリムな「EQB-800」より4.1ミリも薄い。シャツの袖口に引っかかる心配もないので、ビジネスの現場でもコーディネートの自由度が増す。135グラムと非常に軽量な点も長所だろう。
スマホの着信通知機能は搭載していないが、スマホアプリと連携をすることで、正確な時刻に自動修正したり、300都市以上のワールドタイムを簡単に設定できたりといったメリットがある。「スマホと連携することで腕時計に必要とされている正確性や操作性が向上する」(カシオ計算機広報部の柳原春花氏)
ユニークなのがストップウオッチデータ転送機能。時計で計測したラップタイムを1/1000秒単位でスマホに転送する。さらに前周とのタイム差を表示するラストラップインジケーターも搭載。モータースポーツファンを中心とした30代男性から支持されているというのもうなずける。
スマホ連携機能を搭載したアナログ文字盤の腕時計の人気について、柳原氏は「腕時計としてのデザインと機能性を両立できる点が大きい」と話す。EQB-1000YD-1AJFについてもユーザーから「メカっぽいデザインがいい」「薄型で使いやすい」といった声が寄せられているという。
(ライター 津田昌宏、写真 宮前一喜=APT、スタイリング 宇田川雄一)
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