マイカーの自動車保険料、無事故なのになぜ上がる?事故リスク、「型式」で細かく判定

写真はイメージ=PIXTA
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1月から任意の自動車保険の保険料を決める仕組みの一部が変わったと聞きました。どんな仕組みで、どのような点に注意が必要ですか。

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自動車保険の保険料は運転者の年齢や過去の事故歴、車の種類など様々な要因を加味して決まります。人や車により事故が起きる確率や被害の程度に差があるのを保険料に反映させるのが基本です。

今回改定されたのは車の「型式」に関する規定です。型式とは車種を細かく分類・識別するための記号で車検証に記載されています。同じ車名であってもエンジンの種類や駆動方式、形状などが違えば型式は異なります。

型式が違えば走行性や安全性に差が生じます。一般にスピードを出しやすい車ほど事故を起こす人が多く、高級車は事故時の補修費がかさみます。そうしたリスクの高低を型式ごとに段階分けし、保険料に反映する仕組みを「型式別料率クラス」といいます。

型式別料率クラスは最新の事故データをもとに、損害保険料率算出機構が毎年見直します。対人賠償、対物賠償、傷害、車両という4つの補償タイプごとに適用します。クラスは数字で表され、大きいほど保険料は高くなります。

1月からの改定により普通・小型乗用車は、これまで9段階だったクラスが17段階に細分化されます。背景にあるのが安全装備の普及です。近年生産される自動車は、衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い時加速抑制装置などの装着率が急速に高まっています(グラフ)。

安全装備の有無による事故リスクの格差を、保険料により細かく反映するのが改定の目的です。従来はクラスが1段階上がるごとに保険料は1.2倍となり、最大約4.3倍の差がつきました。改定後は1段階ごとに約1.1倍とより小刻みに上がり、最大約4.3倍になる仕組みです。下限と上限の保険料率は据え置かれています。

軽自動車の場合は従来、型式別料率クラスはありませんでしたが、今回の改定で新たに導入されました。ただ、普通・小型とは異なり、クラスは3段階です。クラス1に含まれる型式は従来より保険料率が下がり、クラス3に入ると上がるのが原則です。

自分が乗る自動車の型式別料率クラスを知りたければ、損害保険料率算出機構のサイトで検索できます。自身が事故を起こさなくても、同じ型式の車で損害が増えると翌年に料率クラスが上がる可能性があります。そうなると特に保険料に占める割合が高い車両補償の値上がりの影響が大きく出やすいです。

反対に料率クラスが下がれば保険料は下がります。ファイナンシャルプランナーの平野敦之さんは「仕組みを知っておけばクラスが変わった場合に保険料への影響を予想できる」と話します。これから車を購入する人は、事前にクラスを確認して保険料の傾向を探ることも可能です。

[日本経済新聞朝刊2020年1月4日付]