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ラーメン官僚が独断で選んだ この10年で最高の2杯

昭和と平成のDNAを受け継ぐ「くり山」

基本メニューは「中華そば」、「つけめん」、「あつもり」の3種類となるが、このような経緯から、まず召し上がっていただきたいのが「つけめん」。

スープは鶏(鶏ガラ、モミジ)、豚骨等の動物系素材と、煮干し、節系等の魚介素材とを、絶妙なバランスで重ね合わせたもの。営業時間帯によって「中濃タイプ(昼営業時)」と「濃厚スープ(夜営業時)」とを作り分ける、細やかな心遣いもうれしい。

迷わず「つけめん」を選びたい

スープをひと口すすると、まず、魚介素材に由来する芳醇(ほうじゅん)な香りが鼻腔(びこう)を潤し、その後間髪を入れずに、動物系に由来するコクが「ズドン!」と、味覚中枢に圧を掛けてくる。

カエシに含まれる、うま味成分のさじ加減も絶妙。スープが舌に触れるたびに、脳から大量のドーパミン(快楽物質)が放出されるのが、まざまざと実感できる。

現在までに築き上げられた長い「つけ麺の歴史」の集大成を見せ付けられているかのような、会心の出来栄えだ。

スープとコラボを組む麺もまた、非の打ちどころのない完成度の高さ。修業先から譲り受けた製麺機で丹念に紡ぎ上げられた自家製麺はスープとの相性が尋常ではないほど良好。

つけ麺というジャンルにおいて、麺とスープのうま味が完全に一体化する感覚が味わえる機会はなかなかあるものではない。が、こちらの1杯はその数少ない例外。麺とスープが織りなす、華麗なるうま味の競演。心ゆくまで、ご堪能いただきたい。

(ラーメン官僚 田中一明)

田中一明
1972年11月生まれ。高校在学中に初めてラーメン専門店を訪れ、ラーメンに魅せられる。大学在学中の1995年から、本格的な食べ歩きを開始。現在までに食べたラーメンの杯数は1万4000を超える。全国各地のラーメン事情に精通。ライフワークは隠れた名店の発掘。中央官庁に勤務している。
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