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ラーメン官僚が独断で選んだ この10年で最高の2杯

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NIKKEI STYLE

いよいよ2020年が到来。20年代のラーメン界もきっと、数多くの新たな店や新しい味が生まれ、ラーメン好きの舌を存分に楽しませてくれるだろう。だが、20年は始まったばかり。今回は一度10年代を振り返り、この10年間を代表する名店を2軒を紹介させていただく。10年間に生まれた途方もない数のラーメン店の中から、独断と偏見に基づいて選んでみた。20年1月現在における、「ラーメン」と「つけ麺」の最高峰。ご興味があれば是非、味わってもらいたい。そして10年代のラーメン界の足跡と、20年代の先行きに思いをはせていただければ幸いである。

麺や金時

<一都三県のラーメン最高峰!圧巻の味わい>

店舗の場所は西武池袋線・江古田駅から徒歩5分強。駅の改札を出て北口へ。日本大学芸術学部(日芸)へと向かう道沿いを、小竹向原方面へと直進。同大学の校舎を通り過ぎて、歩みを進め続ければ、道の左手に特徴的な白字のフォントで「麺や金時」と大書された赤い看板が見えてくる。

それが、今回紹介する「麺や金時」だ。

オープンは2012年3月30日。具体的には、千葉県銚子で人気店として君臨していた「中華工房幸貴」が都内へ移転し、屋号をリニューアルしたのが同店となる。店主は他のラーメン店での修業を経ることなく、中華の世界からラーメン職人へと転身を果たした経歴の持ち主。

「金時」で提供される麺メニューは3種類。本場・中国四川も顔負けの「汁なし担担麺」の評判も上々だが、まず召し上がっていただきたいのは、券売機筆頭メニューである「塩らぁ麺」。

その味わいは、完全に独学でラーメンづくりを会得しただけのことはあり、他店では味わうことができない唯一無二のものだ。

「鶏ガラからでは、深みとコクのある味わいは表現できない」と、スープの素材として、鶏のムネ&モモのひき肉を活用。数時間かけてじっくりと丁寧に炊き上げることで、スープの一滴一滴にまで鶏の滋養味が凝縮された圧巻の味わいを実現。

この動物系だしに岩塩をベースとしたまろやかな味わいの塩ダレをオン。すすった瞬間、ジワリと鶏のうま味が味蕾(みらい)へと染み入り、それと時を同じくして、気品のある塩ダレの甘みが口内の隅々にまで同心円状に広がってゆく。

素晴らしいのはスープだけではない。麺もまた、自らの存在を主張しつつも、スープの持ち味を最大限生かし切るように綿密に調整された特注品。

どこまでも澄み切ったスープの中を、悠々と泳ぐ、幾本ものストレート麺。

視覚的にも申し分ない上に、ひとたび口を付けたら最後、丼が空っぽになるまで、ひたすら箸とレンゲを持つ手を動かし続けるしかない。

「オープンした時から、繰り返し改良に改良を重ね、ようやく今の味にたどり着きました」と笑う山口店主。努力は人を裏切らない。現在の「金時」の「塩らぁ麺」は間違いなく、一都三県で提供されるラーメンの最高峰(トップ・オブ・トップ)にまで到達している。

くり山

<1杯の丼が物語るつけ麺の歴史。昭和と平成の名店のDNA>

「ラーメン大国」神奈川県においても指折りのラーメン激戦区として勇名をとどろかせる、白楽・東白楽・反町エリア。同エリアはラーメン店の数が際立って多いことはもちろん、それぞれの店舗が提供するラーメンのクオリティーが総じて高いことでも知られる。

今回紹介する「くり山」はそんな激戦エリアにおいても、更に一歩抜きんでた実力の高さを誇る名店。

ロケーションは東急東横線・白楽駅から徒歩5分強。店側が設定したルールに従い、店前で整然と並ぶ行列がランドマークだ。

同店を切り盛りする店主・栗山氏は「つけ麺界のレジェンド」として20世紀のつけ麺シーンをけん引した「東池袋大勝軒」で4年間修業した後、2000年代以降のつけ麺の方向性を決定付けた「六厘舎」で更に修業。昭和の名店と平成の名店、2つの巨星の下で、つけ麺の味だけではなく、ラーメンジャンルにおけるつけ麺の在り方まで学び、11年に独立。

いわば、「つけ麺」という食べ物を、後の世へと語り継ぐことを義務付けられた、伝道師的な存在だと言えよう。

基本メニューは「中華そば」、「つけめん」、「あつもり」の3種類となるが、このような経緯から、まず召し上がっていただきたいのが「つけめん」。

スープは鶏(鶏ガラ、モミジ)、豚骨等の動物系素材と、煮干し、節系等の魚介素材とを、絶妙なバランスで重ね合わせたもの。営業時間帯によって「中濃タイプ(昼営業時)」と「濃厚スープ(夜営業時)」とを作り分ける、細やかな心遣いもうれしい。

スープをひと口すすると、まず、魚介素材に由来する芳醇(ほうじゅん)な香りが鼻腔(びこう)を潤し、その後間髪を入れずに、動物系に由来するコクが「ズドン!」と、味覚中枢に圧を掛けてくる。

カエシに含まれる、うま味成分のさじ加減も絶妙。スープが舌に触れるたびに、脳から大量のドーパミン(快楽物質)が放出されるのが、まざまざと実感できる。

現在までに築き上げられた長い「つけ麺の歴史」の集大成を見せ付けられているかのような、会心の出来栄えだ。

スープとコラボを組む麺もまた、非の打ちどころのない完成度の高さ。修業先から譲り受けた製麺機で丹念に紡ぎ上げられた自家製麺はスープとの相性が尋常ではないほど良好。

つけ麺というジャンルにおいて、麺とスープのうま味が完全に一体化する感覚が味わえる機会はなかなかあるものではない。が、こちらの1杯はその数少ない例外。麺とスープが織りなす、華麗なるうま味の競演。心ゆくまで、ご堪能いただきたい。

(ラーメン官僚 田中一明)

田中一明
1972年11月生まれ。高校在学中に初めてラーメン専門店を訪れ、ラーメンに魅せられる。大学在学中の1995年から、本格的な食べ歩きを開始。現在までに食べたラーメンの杯数は1万4000を超える。全国各地のラーメン事情に精通。ライフワークは隠れた名店の発掘。中央官庁に勤務している。

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