チームを強くする名脇役力 小池栄子さんの存在感

よく多様な役柄になりきる役者さんをカメレオン俳優と称したりしますが、大概は主役を演じる役者さんを例えるものです。

ですが、小池さんの場合は、脇役として脇に寄り過ぎることなく、一つひとつの作品ごとにあらゆるタイプの役柄を演じ分け、おのおのの作品で確かな存在感と足跡を残し続けているように思います。

チームにおける脇役の重要さ

チームにおいて、主役だけでなく、脇役が確かな仕事を全うする……。

こうした意味と価値は、一般的なビジネスの現場でも重要です。おのおののプロジェクトで、リーダー格となる人物は通常は若干名。大方のメンバーはその他大勢の脇役の配置となります。むしろ、数でいえば脇役としての役割を担うことの方が多いでしょう。

ですが、この脇のメンバーの活躍次第で、プロジェクトの成否は分かれてきます。

誰かがスタンドプレーに走ってしまったり、逆に、その他大勢だから目立たないとばかりに誰かが手を抜いてしまったりすると、一つのささいなミスがプロジェクト全体を失敗に導いてしまうこともあり得ます。

また、チーム全体の功績や成否だけでなく、個人のキャリアデザインを描く上でも、脇のメンバーでいる時期はとても大切であると言えます。

スキルや経験値というものは、自分に与えられたポジションから全体の流れをつかみ取るなかで、高まっていくものだからです。そうしたなかで、いずれ、リーダー的なポジションを得た時、それまでのストックに裏打ちされた力が発揮されることになります。

小池さんも今年は自身が出演し、当たり役とされた舞台『グッドバイ』を映画化した『グッドバイ 嘘からはじまる人生喜劇』(2月14日公開予定)で『八日目の蝉』の成島監督と再びタッグを組み、大泉洋さんと共に主要キャストを演じます。小池さん同様に、高い演技力を誇る大泉さんとの共演ですから、すでに前評判も上々です。

この作品のように、主役と肩を並べ、出番も多い小池さんの演技を楽しみたいのはもちろんですが、同時に、ますます磨きのかかる名バイプレーヤーぶりを発揮してくれる作品にも期待してしまいます。きっと主役を輝かせ、作品全体の成果へと導く力もパワーアップすることでしょう。

オリンピックイヤーは世界的なスポーツの祭典の場として、スター選手が脚光を浴びる年ですが、スポットライトばかりに着目することなく、脇を固めているメンバーの活躍にも目を向けたいものです。私たちも小池さんのように、自分自身が求められている場所において果たすべき役割を着実に全うする心がけも忘れないようにしましょう。

鈴木ともみ
経済キャスター、ファイナンシャル・プランナー。日本記者クラブ会員。多様性キャリア研究所副所長。テレビ、ラジオ、各種シンポジウムへの出演のほか、雑誌やWeb(ニュースサイト)にてコラムを連載。主な著書に『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。株式市況番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重TV・ストックボイス)キャスターとしても活動中。近著に「資産寿命を延ばす逆算力」(シャスタインターナショナル)がある。
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