リスクが収益生む 投信で長期投資、価格変動を見極めQUICK資産運用研究所 高瀬浩

写真はイメージ=123RF
写真はイメージ=123RF

2019年末にまとまった20年度の与党税制改正大綱で少額投資非課税制度(NISA)や確定拠出年金制度の改正が決まった。一般NISAは投資期限を現在の23年から5年延長したうえで2階建ての新制度に移行する。具体的には24年から金融庁が認定した投資信託に対象を限定した積立枠(1階)と上場株式などにも投資できる枠(2階)となる。積み立て型のつみたてNISAも制度の期限を延長し、確定拠出年金は企業型、個人型ともに掛け金を拠出できる期間を延ばす。

いずれも家計の資産形成を税制面で後押しするのが目的で、老後資金や子どもの進学費などを長期で準備しようとする人にとって活用するメリットは大きいだろう。個人がまとまった資金をつくるには投信の積み立てをコツコツと続けることが有力な選択肢になるが、投信を選ぶ際にまず押さえておきたいのが「価格変動リスク」だ。

投信は株式や債券、不動産投資信託(REIT)など組み入れ資産の値動きに応じて、基準価格が上がったり、下がったりする。こうした上下への値動きの度合いを定量的に示したものを価格変動リスクと呼ぶ。基準価格は大きく下がる可能性もあり、どの投信にも元本割れリスクはつきものだ。安易に投信を選ぶと大きな損失につながりかねない。価格変動リスクをしっかり確認しておこう。

リターンはリスクの大きさにほぼ連動

下の表は上場投資信託(ETF)などを除く国内公募追加型株式投信を対象に「QUICKファンド・リスク(QFR)」と呼ぶリスク階級で分類し、それぞれの階級で純資産残高上位3本の投信の3年リターンと1年最大上昇・下落率をまとめたものだ。QFRは各投信の価格変動リスクの大きさを東証株価指数(TOPIX)と比べて評価し、リスク最小の「1」から最大の「5*」まで6段階で表示した指標。TOPIXの価格変動リスクを「3」としているので、大まかにいえば「1」「2」に相当する投信の値動きはTOPXより小さく、「4」以上はTOPIXより大きいとみることができる。QFRは毎月更新し、日経電子版の「マーケット→投資信託→投資信託サーチ」で検索した個別ファンド情報のトップ画面にも表示している。

表でリスク階級と3年リターンの関係をみると、階級があがるほどリターンが高くなる傾向がうかがえる。過去3年の投信市場は概ね堅調に推移し、基準価格が上昇した投信が大半を占めたが、そうしたなかでも「リスクを取らなければリターンもない」という資産運用の鉄則は当てはまっていたといえるだろう。

近づくキャッシュレス社会
ビジネスパーソンの住まいと暮らし
注目記事
次のページ
インデックス型も「ハイリスク・ハイリターン」
近づくキャッシュレス社会
ビジネスパーソンの住まいと暮らし