アフターデジタルに乗れるか 2020年代転職の3条件経営者JP社長 井上和幸

アフターデジタルを前提に業務を変革できているか

 テーマその2は「『O2O』人材から、『アフターデジタル(OMO、D2C)』人材へ」です。O2O(Online to Offline)とは、ネット上(オンライン)からリアルの場(オフライン)での行動へと促す施策やオンライン上での情報発信などによってオフラインでの購買行動に影響を与えるような施策のことを指します。

 私たちは気が付けばデジタルとリアルの両方の世界を同列に重要なものとして生活し、ビジネスも行っています。皆さんも、オンラインとオフラインをどう組み合わせるかを前提に事業を考えて、業務を行っているでしょう。

 しかし、2020年代はこれまでのようにリアル(オフライン)とデジタル(オンライン)を別のものとみてその接続を考えるのではなく、「常時接続」、つまり常にリアルとデジタルを必要に応じて縦横無尽に行き来するという前提での事業の考え方、仕事の進め方が求められるのです。

 藤井保文氏、尾原和啓氏の共著「アフターデジタル」で提出され、広まりつつある「アフターデジタル」の世界を前提に活動できる人材が、2020年代のリーダー人材となります。

 いまアメリカを中心に勝ち組となりつつあるのがD2C(Direct to Consumer、ソーシャルやデジタルを生かし、生産工程から販売までを一気通貫で行うメーカー)型のアパレルや消費財メーカーですが、それがさらにOMO(Online Merges with Offline、オンラインとオフラインの垣根のないビジネススタイル)へと発展しつつあるといわれています。アマゾン・ドット・コムの一連の事業モデル(電子商取引と無人店舗アマゾン・ゴーなどの連携・融合サービス化)などが現時点での代表例だと思いますが、前掲書に紹介されている通り、この分野については中国企業がかなりアグレッシブに先頭を走っている印象があります。

 20年代、日本も負けているわけではないと思います。実際に私が担当しているクライアントでも、大手流通企業などでこのスタイルへの変革をダイナミックに推し進めている姿を目にします。私たちの生活や購買行動は、日に日にアフターデジタル化していくことでしょう。とても楽しみです。

 ミドル・シニアの皆さんも、いかにこの「アフターデジタル」化を創出、構築、推進することに寄与できるかが、当然のごとく問われます。別に全員がプログラムを組めたりデータ分析ができたりする必要はないと思います。しかし、一方で、OMOを前提とした事業や商品・サービスづくり、関連するセールスやマーケティング、サポート業務をイメージできないことは致命的となります。自分の身の回りの利用ツールが10年前、20年前のレガシーなもののままでないか、要確認、要刷新です。

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