お笑い「うるとらブギーズ」 ネタ多彩、コントで脚光

9月に放送されたコント日本一を決める大会『キングオブコント2019』で初めて決勝に進出し、準優勝したうるとらブギーズ。優勝こそ、どぶろっくに譲ったが、タイプの異なる2本のネタが共に高評価だったこともあり、大会終了後はうるとらブギーズにも熱い視線が送られた。

うるとらブギーズ 左/佐々木崇博1984年12月17日生まれ、静岡県出身。右/八木崇、1982年3月10日生まれ、熊本県出身。吉本興業所属

キングオブコント決勝の日、トップバッターで登場した2人は、しゃべっている人と同時に同じことをしゃべる癖を持つ男と催眠術師のコントを披露し、いきなり高得点を獲得。最終決戦にあたる2本目は、サッカーの実況中、たわいのないおしゃべりに夢中になってしまうアナウンサーと解説者のコントで会場を沸かせた。審査員の三村マサカズは「1本目も2本目も、(実際に)いそうなんですよね。もっと見たい」とコメントし、ほかの審査員も賛辞を述べている。

2人とも小学生の頃からお笑い好きで『ダウンタウンのごっつええ感じ』や『ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!』などのコント番組に夢中になっていたという。芸人を目指したきっかけは「昔からムードメーカーとかひょうきん者って呼ばれて、親からも冗談半分で『吉本に行け』と言われていたんです。20歳くらいの頃、なりたい職業もないから1回やってみようと思ってNSC(吉本総合芸能学院)に応募しました」(八木)、「中学のとき、学級カーストがかなり下で、上にいるやつらを見返したいと思っていて、高校生になってお笑いの道を意識し始めました。大学にも行ったんですが、あまりにも僕がつまらなそうにしているのを心配した親から東京に行くように背中を押されて、大学を1年で辞めてNSCに入りました」(佐々木)

結成は09年5月。NSCの同期として出会い、別々のコンビで活動後に佐々木が八木を誘う形で組むことになった。結成10年でようやく大きなチャンスを手にした一方で、NSCの同期にはオリエンタルラジオをはじめ、はんにゃ、フルーツポンチと、デビュー後すぐに売れっ子になった芸人もいる。彼らの活躍について「以前は悔しい気持ちが大きかったけど、今は自分たちも負けていられないという前向きな感情になる」と佐々木が語ると、八木は「オリラジは僕らのことを知らないと思う。もし飲みに行ったら緊張しちゃいます」と笑わせた。

日頃のネタ作りは八木が設定を考え、佐々木に説明しながら膨らませていくという。八木は「目指しているのはバカバカしいコント。5分のネタだったら5分間ずっとお客さんを笑わせ続けたい」とポリシーを語った。

今後テレビ出演も増えそうだが、どんな面を打ち出したいかを聞くと、「正直、それを考えなきゃと思っています。僕らって色がなくて、どこにでもいる顔なんです。それがキャラになればいいけど、テレビだと難しいかもなって」(佐々木)、「とはいえ、変なキャラをつけて、コントに縛りができてしまうのだけは避けたいし……」(八木)と悩みを明かす。

ネタ番組以外のバラエティーにはまだ慣れていない2人。出てみたい番組は「『ゴッドタン』(テレビ東京系)の『マジ歌選手権』です。趣味でオリジナルソングの弾き語りをやっていて、インスタグラムにも100曲以上アップしています」(佐々木)、「ロケ番組に出たことがないので、ロケに行ってみたいですし、食レポも。ドラマにも興味があります。やりたいことだらけです」(八木)と意欲を見せた。

コントを得意とする芸人は、俳優としての活躍にも期待がかかる。弾き語りも今後の活動で武器になるだろう。ネタはもちろん、活動の広がりにも要注目の2人だ。

(日経エンタテインメント!12月号の記事を再構成 文/遠藤敏文 写真/星野耕作)

[日経MJ2019年12月27日付]