マフラーと言えば、どう巻くかのアレンジも重要だろう。一回だけ首に巻いて両端を垂らすラフな「一周巻き」、二つ折りにしてマフラーの端を輪に通す「ワンループ巻き」は、街中でもよく見かける。それ以外に、大井氏は「ピッティ巻き」と呼ばれる巻き方も試してほしいと語る。首元に適度なボリューム感が出るだけでなく、ややドレッシーな雰囲気も演出できる巻き方だ。

どこか懐かしさを感じさせる英国産のチェック柄のマフラー。表面はふんわりと起毛しているので、保温性も高い。ルックス、プライス、クオリティーの三拍子がそろった一品だ。幅25cm x 長さ190cm(フリンジ込み)HIGHLAND TWEEDS / ラムウールマフラー 5170円税込み
ピッティ巻き
ワンループ巻き

見た目も違うカシミヤ 肌触り以外も魅力

柄物ではないが、単なる無地でもない。そんな一品を挙げてくれたのは、千葉・津田沼の「SECOURS(スクール)」の店主、田中大介氏。一押しは、同店オリジナルのダブルフェイスカシミヤストールだ。

「昨年からダブルフェイス仕様の展開をスタートしたのですが、好評をいただいています。巻いた時に裏面が見えることで、首元の表情にほどよい変化が生まれるのが魅力ですね」

カシミヤの生地感についても尋ねると、「カシミヤの肌触りがいいのは当たり前。それ以外にも注目してほしい」という。

「まずは、肌触りとも重なる部分ですが、生地はふんわりというよりは滑らかなイメージ。あくまで、ニット(編みもの)ではなく、ストール(織りもの)なので。つまり、艶感が出る。見た目でも、はっきりと分かるほどです。さらに言えば、カシミヤにしか出せない独特の色の濃さや深さもある。ブランドネームだけではなく、ぜひ実際に見て触って、さらには巻いていただいて、試してほしいですね」

内モンゴルの上質なカシミヤを使って織り上げた両面仕様のマフラー。カシミヤとしては手ごろな値段なので、手持ちのアウターの色に合わせて、複数でそろえておくのもいいだろう。全5色。幅30cm×長さ196cm(フリンジ込み)SECOURS / ダブルフェイスカシミヤストール 9790円税込み

アウター感覚で使う 新しいマフラーの選択肢

FACY上の投稿を見ると、「大判なもの」や「ボリューム感があるもの」を探しているユーザーの投稿も見受けられた。ユニークな一品を教えてくれたのは、東京・代官山の「encinitas(エンシニータス)」のオーナーである平浩一氏。WHITE LINE(ホワイトライン)のキルティングマフラーを紹介してくれた。

マフラーといえば、ついウールやカシミヤを連想するが、ポリエステルのキルティングという発想がおもしろい。洗濯しづらいイメージがあるマフラーだが、こちらは化繊なので、水洗いも可能。45cm×251cmというサイズ感も特徴的だ。

高機能性中綿SHRAPE(シュレープ)を軽量高密度タフタでサンドし、防寒性を高めたマフラー。裏側はフリースのような素材を貼り、肌触りにも配慮。別売りで同素材のトップスも販売している。幅45cm×長さ251cm WHITE LINE / キルティングマフラー 1万4300円税込み

「やはり見た目のインパクトが大きいのはポイントですね。シンプルなワンループ巻きでもかなりのボリューム感が生まれます。特殊な中綿素材を使っているので、もちろん軽くて暖かい。マフラーというより、もはや一種のアウターとして、捉えるほうが正しいかもしれない」という。

文:FACY編集部 杉山 遼人(https://facy.jp/)

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