転職市場で今年買われる職種・経験は? 需要を見通すエグゼクティブ層中心の転職エージェント 森本千賀子

マーケティング職は「経営目線」を求められる

ベンチャー企業が成長を遂げていくプロセスでは、「マーケティングコストをかけ、ブランディングやPRを仕掛けていく」というタイミングが訪れます。

ここで求められるマーケティング職は、例えば「デジタルマーケティングにおけるSEO対策に強い」「リスティング広告にくわしい」といったレベルでは不足。経営の目線を持ち、誰に対してどのように訴求していくのかを戦略的に考えられる人材が採用ターゲットとなります。「CMO(最高マーケティング責任者)候補」として募集されるケースも見られます。

エンジニア、クリエイターは幅広い企業で引く手あまた

エンジニアは「超売り手市場」。IT企業では研修体制を整備していることから、経験が浅くても、あるいは未経験でも、ポテンシャルで採用されるチャンスが豊富です。

一方、事業会社のシステム部門では、技術力だけでなく、ビジネスセンスやマーケティング視点を持つエンジニアが求められており、高いレベルでそれを有している人は最高技術責任者(CTO)として迎えられるケースもあります。

クリエイターについては、ホームページやオウンドメディアなどの制作にあたり、これまで外注していたクリエーティブを内製化する動きが見られます。

「コンテンツマーケティング」を意識する企業が増えており、売り上げに直結するようなクリエーティブを目指しているのです。

「〇〇Tech」企業が開発、営業などを積極採用

金融領域の「FinTech」、人材領域の「HRTech」、教育領域の「EduTech」、広告領域の「AdTech」など、既存の事業や業務にテクノロジーを掛け合わせることで、新たなビジネスモデルや仕組み、ツールなどを生み出している企業が採用に意欲的です。「〇〇Tech」に特化したベンチャーのほか、大手企業でもTech分野に乗り出しており、これらの周辺では人材ニーズが爆発的に伸びています。

事業会社では既存事業部門の中に新規部門を置くと抵抗が生じるリスクもあるので、社長や役員直轄の新組織を設けることで、スピーディーな意思決定と実行を図っています。このように、既存事業とテクノロジーの融合、いわゆるデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進していく人材として、テクノロジーの知見とビジネスセンスを併せ持つ人材を求めています。

一方、Techサービスを提供しているベンチャー企業などでは、売り上げ拡大のため、エンジニア以上に「拡販を担う営業が欲しい」という声が上がっています。

社外取締役・社外監査役の採用実績が堅調

国の成長戦略に「コーポレートガバナンス(企業経営の仕組み)の改革」が盛り込まれて以降、「社外取締役」や「社外監査役」を求める声が高まりました。一企業の社長や役員でありながら、他社に「社外取締役」として迎えられるケースが増えています。「女性の取締役」を外部から採用したいとする声も引き続きあります。

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採用を中心とした「戦略人事」のニーズが高まる
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