令和の初日の出ランキング(訂正とおわび)
令和になって初めて迎える新年の初日の出。遠出しなくても、街中だから見られる「絵になる光景」がある。予約不要という条件で、お薦めスポットを専門家に選んでもらった。
首都圏2位 城南島海浜公園
徐々に赤く染まる東京湾
日が昇る方向に東京湾が広がっていて遮るものがない。海原に光が差し、徐々に赤く染まる様子を楽しめる。「広大な海と初日の出の素晴らしさにきっと心を奪われる」(金子美智子さん)。おすすめの場所は「つばさ浜」。「都内で砂浜から日の出を見られるのは珍しい」(ヤマグチさん)
公園のすぐ南には羽田空港があるが、「離着陸する飛行機と太陽を同じ視界に捉えるのは方角的に難しい」(芳岡さん)。一方で「飛行機を間近に見ながら初日の出を待つのは高揚感がある」(斉藤寿美子さん)という指摘も。
(1)首都高・大井南出口から車で約20分(2)午前6時(3)無料(4)seaside-park.jp/park_jonan/
首都圏3位 海ほたるパーキングエリア
海に囲まれ、西に富士山も
東京湾のほぼ中央の人工島にあり、周囲360度を海に囲まれている。「ビルや山など遮るものがなく、空が高く感じられる。初日の出とは逆方向だが、富士山も見られる」(沼田阿友美さん)。特に、4階の屋外広場と5階の展望デッキからの眺めがよい。「車で手軽に行ける半面、例年大混雑する」(中尾隆之さん)。2019年の元旦は午前3時から7時20分ごろまで入場を制限した。早めの到着を心がけたい。
(1)首都高・川崎浮島JCTから約10キロ(2)24時間開放しているが、混雑により入場制限あり(3)東京湾アクアラインの通行料のみ(4)https://www.umihotaru.com/
首都圏4位 羽田空港
飛行機の離陸とともに
国内線第1、第2旅客ターミナルと国際線旅客ターミナルの展望デッキから飛行機と共に初日の出を見られる。なかでも第2は「正面に大きな建物がない」(沼田さん)のでおすすめ。太陽が昇る方角の沖合にD滑走路がある。「天候次第だが午前6時台にも離陸があるため初日の出と絡めやすい」(芳岡さん)。「飛行機が飛び立つ姿は一年の平穏無事を祈る元旦にぴったり」(富本さん)
(1)東京モノレールの羽田空港第1ビル駅、第2ビル駅、国際線ビル駅で下車。年末年始は特別ダイヤ(2)第1、第2は午前4時。国際線は制限なし(3)無料(4)http://www.haneda-airport.jp/
首都圏5位 隅田公園
ダブルツリーの間から
隅田川の両岸に整備された公園の浅草側から、東京スカイツリーと初日の出を一緒に眺められる。観賞する場所によっては、アサヒビール本社の壁面に、朝日に照らされたスカイツリーが反射して「ダブルツリー」に見えることも。2本のツリーの間からのぞく初日の出をキャッチできれば、「都会的でフォトジェニックな構図」(斉藤愛子さん)になる。写真は11月15日に撮ったもので、初日の出はこれよりやや右の位置から昇る。
(1)東京メトロ浅草駅から徒歩3分(2)制限なし(3)無料(4)https://www.gotokyo.org/jp/spot/506/index.html
中部1位 ミッドランドスクエア
吹き抜けが生むシルエット
ビルの44~46階、高さ約220メートルにある屋外展望台「スカイプロムナード」は「名古屋市内で最も早く初日の出を見られる場所のひとつ」(岡哲生さん)。「眼下のビル群を照らす朝日は自然の中で見るのとは違った趣がある」(柴田基志さん)
天井がなく、吹き抜けの開放感のあるつくりが特徴。45、46階は壁沿いをスロープ状の回廊が取り囲む。写真を撮るときは、窓際から一歩下がるのがおすすめ。「縦長の特徴的な窓枠と、そこに群がる人々のシルエットを一体に収めることで、おしゃれな雰囲気の写真になる」(芳岡さん)
屋外なので防寒対策が必須。例年、混雑はするが入場制限するほどではない。
(1)JR名古屋駅から徒歩5分(2)午前5時半~8時半(3)750円(4)https://www.midland-square.com/sky-promenade/
中部2位 刈谷ハイウェイオアシス
観覧車で見るチャンス
伊勢湾岸自動車道の刈谷パーキングエリア(PA)に隣接しており、PAからも一般道からも入場できて便利。初日の出観賞に最適なのが、高さ60メートルの観覧車だ。周囲に高い建物がないため、昇ったばかりの太陽がよく見える。1周が約12分なので「乗り込むタイミングを見計らう必要がある」(小林英臣さん)。うまく乗れなかった場合も、地上から見る「観覧車越しの初日の出は絵になる」(芳岡さん)。
(1)高速で名古屋市街から約30分(2)観覧車は午前6時半から(3)入場無料、観覧車は600円(4)http://www.kariya-oasis.com/
中部3位 138タワーパーク
公園の森林、すがすがしく
公園内のタワー「ツインアーチ138」には地上100メートルの展望台があり、濃尾平野の先の山あいから昇る初日の出を見られる。公園のそばには木曽川が流れており「太陽が昇るにしたがって川面が染まっていく」(芝谷さん)。タワーに登らなくても、地上から「タワーと初日の出の共演を楽しめる」(横倉さん)。公園内には森林もあり、「澄んだ空気が年の始まりをすがすがしいものにしてくれるはず」(水越智子さん)。
(1)東海北陸自動車道・一宮木曽川ICから約8分(2)タワーに登りたい人には当日午前6時から整理券を配布(先着130人、1時間以上前から並ぶ人も)(3)500円(4)http://kisosansenkoen.jp/~tower138/m138twinarch.html
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関西1位 梅田スカイビル
大阪のビル群包む朱光
39~40階と屋上にある「空中庭園展望台」は173メートルの高さで関西一円を見渡せる。初日の出についても「関西の都会で間違いなく一番」(横倉和子さん)、「最高の眺め」(真田知世さん)など高い評価が寄せられた。太陽は大阪平野の東に広がる生駒山系から昇る。「大阪のビル群を温かい光が包み込んでいくさまは幻想的」(芝谷千恵子さん)だ。
入場制限することは例年ないが、いい場所で見たければ「早めの到着がおすすめ」(山本健二さん)。西側にしか行けなくても「神戸の街が朱色に照らされてきれい」(富本一幸さん)だ。
(1)JR大阪駅から徒歩7分(2)午前5時(3)1500円(4)https://www.skybldg.co.jp/
関西2位 渡月橋
黄金の桂川に息をのむ
京都らしさを感じさせる随一の観光名所で、夜明けとともに嵐山の風景が浮かび上がる。桂川の水面(みなも)に映る朝日は「これぞ日本の初日の出と思える美しさ」(横倉さん)。川に差し込む太陽の光が「ゴールドに光り輝き、息をのむほど」(金子さん)という。渡月橋の上から観賞するのもいいが、桂川の北岸を西に100メートルほど歩いた場所で「渡月橋と絡めて初日の出を見るのもおすすめ」(日下部かおりさん)だ。
(1)阪急嵐山駅から徒歩5分(2)制限なし(3)無料(4)https://www.kyoto-kankou.or.jp/info_search/?id=289&r=1576571468.4341
関西2位 六甲ガーデンテラス
歴史ロマン感じる眺望
六甲山上の標高880メートルの地点にあり、眼下に神戸と大阪の街並みが広がる。明かりで輝いていた夜景が消え、日の出とともに街が太陽に照らされていく様子を見られる。「街、海、山すべてがパノラミックに広がる」(中尾さん)、「空を飛んでいるような感覚」(芝谷さん)など眺望への評価は高い。直接は見えないものの太陽が昇る方角には奈良があるため、「古代日本から令和まで続く歴史ロマンを感じさせる」(富本さん)との指摘もあった。
(1)三宮付近から車で約50分(2)入場制限なし(3)無料(4)https://www.rokkosan.com/gt/
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「北から118度」目安に探そう
国立天文台によると、2020年元旦に朝日が昇るおおよその時間は東京で午前6時50分、名古屋で7時、大阪で7時5分だ。これらは海抜ゼロメートルの場合で、高層ビルやタワーなどの高所では数分早まる。
初日の出の方角は、3地域とも北からほぼ118度。時計の針でいえば12時を北として4時にあたる。大きな道路や河川がその方角に延びていれば、低い場所からも、昇ったばかりの太陽を見られるはずだ。
代表例としてヤマグチケンスケさんがすすめるのが東京の表参道。「明治神宮から延びる方角が初日の出とほぼ一致している」。神宮橋の上だけでなく、表参道の途中からも観賞が可能という。
お気に入りの建物と初日の出を一緒に見たい場合も、この方角が参考になる。山本健二さんが関西で推すのは大阪城の北西にかかる「大坂橋」。「大阪城やビル群とともに、日常的な目線の高さから初日の出を楽しめる」
天候によって見られない場合もあるからこそ、実際に初日の出を拝めたときの喜びは大きい。令和になって最初の初日の出。自分なりのお気に入りスポットで、幸せな一年を祈ってみてはいかが。
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[NIKKEIプラス1 2019年12月21日付]
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