ベンツE350de ディーゼル+EV、最新で複雑な魅力

2020/2/2
ディーゼルエンジンをベースにしたプラグインハイブリッドモデル「メルセデス・ベンツE350deアバンギャルド スポーツ」(写真:花村英典、以下同)
ディーゼルエンジンをベースにしたプラグインハイブリッドモデル「メルセデス・ベンツE350deアバンギャルド スポーツ」(写真:花村英典、以下同)
webCG

乗用車では日本初となる、ディーゼルエンジンベースのプラグインハイブリッドモデル「メルセデス・ベンツE350de」に試乗。燃費性能に優れるディーゼルと、ゼロエミッションを掲げるEVのいいとこ取りとうたわれるパワーユニットの出来栄えを確かめた。

ゼロエミッションは正義

例年は夏でも冷涼ゆえ“普通の家”にはエアコンなどないパリやロンドンなどの欧州都市部で、「生命の危機」が報じられる40℃級の最高気温を記録。水の都として知られるベネチアは「過去50年で最悪」とされる洪水に見舞われ、太平洋に浮かぶマーシャル諸島では水没による国家消滅への危機から、一部島のかさ上げを真剣に検討──と、2019年は、いずれも「地球温暖化の影響」とされるニュースがかまびすしく聞かれた。

それもこれも、CO2に代表される温室効果ガスのせい……という解釈に対しては、「ホントに本当なの!?」とちょっと訝(いぶか)しく思う自分の気持ちもいまだ皆無ではないものの、このあたりを微に入り細をうがちつつ検証するとなると、もはや素人の手には負えなくなってしまう(?)のが現実。

かくして「そんな面倒なことまで関わっていられないヨ」という世界の多くの人にとっては、やはり排ガスそのものが悪者ということになる。端的に言えば、もはや「物を燃やす」ことはおろか、「飛行機で移動」したり「肉食を行う」ことすらも“悪”とみなされかねないのが、今という時代の空気であるのだ。

2019年10月23日に東京モーターショーの会場で、日本導入がアナウンスされた「E350deアバンギャルド スポーツ」。乗用車としては日本初となる、外部充電が可能なディーゼルハイブリッドパワートレインを搭載している

そんなタイミングゆえ、“エンジン車”が吐き出す排ガスも問題視されないはずがない。実際、今やガソリンであろうがディーゼルであろうが、排ガスを出すクルマはすべて悪者という考え方が支配的。唯一問題ナシと認められるのは、“テールパイプエミッション”が皆無の、要は電動化が図られたモデルのみという雰囲気だ。

本来ならば、「そこにチャージする電気をどのようにつくるか」が大問題。しかし、取りあえずそこのところは不問とし、走行時さえ排ガスを出さなければ「CO2排出量はゼロ」とカウントするのが、欧州地域における差し当たりの(ちょっとズルい)外部充電機能付きのモデル(プラグインハイブリッド車=PHV)に対する対応でもある。

Eクラス選びはパワーユニット選び

というわけで特に昨今、欧州発のブランドから次々とローンチされるハイブリッド車は、EVとして排ガスゼロの状態で走行が行えるモードを備えることに対して手厚いインセンティブが受けられる、PHV一択という状況。そうした中にあって、メルセデス・ベンツが放った異色の存在がE350deだ。

このモデルの技術的な内容を、その車名から言い当てることは難しくない。そう、“d”の記号はディーゼルエンジンを搭載し、“e”の文字はそれが電動化されたモデルであることを示しているからだ。

より詳しく紹介すれば、搭載されるエンジンは“純ディーゼルモデル”である「E220d」用と基本を共にした、最高出力192PSの2リッター直4直噴ターボユニット。これに最高出力122PSと最大トルク440N・mを発生するモーターを含んだ9段ステップATが直列に組み合わされ、システム最高出力306PS、システム最大トルク700N・mを発生。トランクルーム内に積まれたリチウムイオン電池の容量は13.5kWhで、EV航続距離はWLTPモード時で最長50kmと発表されている。

「E350de」のボディーサイズは全長×全幅×全高=4923×1852×1475mm、ホイールベース=2939mm。(欧州仕様車の数値)
注目記事
次のページ
ディーゼルハイブリッドゆえの課題
今こそ始める学び特集