個人投資家「猪突猛進」の19年 株高追い風に最高益も七転び八起き 年末総集編


年末にかけて株高が進んだ2019年。日経平均株価は12月に2万4000円の大台を突破し年初来高値を更新するなど、18年12月末の波乱から回復基調をたどった。株高の波に個人投資家はどこまで乗ることができたのか。資産1億円以上の「ツワモノ投資家」や、投資セミナーの参加者に今年の成績を10段階評価で自己採点してもらった。

「米国株好調、成績押し上げた」

「20年は子(ね)年。相場格言では『繁栄』を表し、実際に子年の日経平均株価をみると辰(たつ)年に次いで2番目の好成績を挙げています」

三井住友DSアセットマネジメントが開いた投資セミナーには20~30代の個人投資家が目立った

三井住友DSアセットマネジメントが12月中旬に開催した投資セミナーには、20~40代を中心に定員を超える個人投資家が参加。会場からは「個別株選びのポイントは?」などと活発な質疑が続いた。

参加した個人投資家に1年の投資実績を振り返ってもらったところ、「米国株の好調が成績を押し上げた」「日本株のインデックス投信が良かった」との声が聞かれた。最低は5.5点で、平均点の5を下回る評価をつけた投資家はゼロだった。総じて株高の流れに乗った形だ。

利益12億円のツワモノも

1億円以上の金融資産をもつツワモノ投資家はどうか。

「これまでで最も利益があがった年になった」

ツワモノ投資家のテスタさんはそう話す。19年の利益は12億円に及び、自己評価は昨年の「6」から「7」に上げた。コロプラ(3668)株が急騰する流れに乗ったほか、違法漫画サイト「漫画村」の運営者が逮捕されたことでマンガアプリのAmazia(4424)が上昇したことが寄与した。

コロプラは9月配信のゲームアプリ「ドラゴンクエストウォーク」の売り上げランキングに着目し、1位が続く間は株式を保有すると決めて投資した。テスタさんは「相場全体よりも個別株の方が先を読みやすい」と話す。

今年は投資スタイルも変えた。これまではわずかな値動きを狙って秒や分単位で大量に取引し、利益を積み重ねる「スキャルピング」と呼ばれる投資手法を得意としてきたが、中長期の投資を重視するスタイルへと修正したという。

投資対象の業種を絞り込む

同じくツワモノ投資家の井村俊哉さん(35)は、19年に1億円の利益を確保。自己最高だった17年に次ぐ成績となり、投資評価も昨年の「2」から「8」へと大きくあげた。18年夏ごろに購入したサイボウズ(4776)の株価が2倍超に膨らんだことが大きかったという。

井村さんはユーチューバーとしての活動に集中するため、「投資先はクラウド関連の3銘柄に絞った」という。投資に割く時間を節約するため、あらかじめ投資対象とする業種を絞り込んだことが、良好なパフォーマンスへとつながったという。

株高を追い風に、株式市場を猪突(ちょとつ)猛進に駆け抜けた19年の個人投資家たち。20年は東京五輪など注目イベントが目白押しだ。高値警戒感もくすぶるなか、相場格言で「繁栄」と言われる子年に、個人投資家は一段と輝くことができるのか――。

(佐伯遼、末藤加恵)

「+(タス)ヴェリ」は週刊投資金融情報紙「日経ヴェリタス」編集部による連載コーナーです。タスヴェリはNIKKEI STYLEでだけ読めるスペシャル企画で、ミレニアル世代と呼ばれる20~30代の価値観やライフスタイルを、同年代の記者が取材し幅広くご紹介します。更新は不定期です。
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