女性は酒の影響うけやすい 達人常備の3つの武器

日経Gooday

2020/2/12
写真はイメージ=(c) PaylessImages-123RF
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日経Gooday(グッデイ)

2019年11月、「WOMAN EXPO TOKYO 2019 Winter」(主催:日本経済新聞社/日経BP)が開催された。講演の中から、Goodayの人気連載「左党の一分」でおなじみの酒ジャーナリスト・葉石かおりさんによる講演の内容をお届けしよう。葉石さんは、医師などの専門家に取材した新著『酒好き医師が教える もっと!最高の飲み方』(日経BP)を刊行している。新著の内容を中心に、「女性」に知っておいてもらいたい「お酒と健康の最新情報」を語った。

健康のためにベストの飲酒量は?

最近はお酒を楽しむ女性が増えてきた。「毎日欠かさず飲んでいる」という女性も決して珍しくはない。そんな酒好きなら誰もが気になるのが、健康への影響だろう。飲み過ぎが体に悪いのは当然だが、どの程度なら心配ないのだろう?

厚生労働省の「健康日本21」では、「適度な飲酒」は純アルコール量にして1日平均20gとしている。日本酒で1合、ビールで中ジョッキ1杯(500mL)、ワインで2~3杯程度の量だ。

だが、人のアルコールの分解能力は、個人差、そして性別による違いがある。「女性の場合は男性よりも体が小さく、アルコールの分解速度が遅いので、よりお酒の影響を受けやすい。そのため、半分の1日10g以下がいいとされているんです。悲しいですね(笑)」(葉石さん)。アルコール10gといえば、日本酒で90mL、ビールで250mL、ワインならグラス1杯程度しかない。

葉石さんの著書『酒好き医師が教える もっと! 最高の飲み方』(日経BP、浅部伸一監修)

日本には「酒は百薬の長」という言葉があり、医学的にも「少量なら健康にいい」と長いこと信じられてきた。実際、そう思っている人も少なくないだろう。ところが、「最近、ショックな論文が発表されました」と葉石さんは話す。

近年は、アルコールの健康への悪影響が世界的に指摘されるようになっている。そんな中、2018年8月、世界的権威がある医学雑誌「Lancet」に「お酒は飲まないのが一番」という論文が発表されたのだ。

同論文では、195の国と地域で23の病気のリスクと飲酒量を詳細に検証した結果、「健康への悪影響を最小化するなら飲酒量はゼロがいい」と結論づけている。もちろん、酒量が増えればそれに比例して病気になるリスクも高くなっていく(Lancet. 2018; 392:1015-35.)。

縦軸は相対リスク。横軸はアルコールの消費量。1単位は純アルコール換算で10g。(Lancet. 2018;392:1015-35.を基に編集部で作成) 酒と乳がんリスクの関係

つまり、わずかな量であってもお酒は毒ということ。とはいえ、お酒は人生の楽しみであり、ストレスの解消にも役立つ。ただちにお酒をやめるべきとは言わないが、「基本的に体に悪い」ことを踏まえ、くれぐれも飲み過ぎには注意しよう。

お酒を飲む人は乳がんのリスクが高い

男性よりもアルコールの分解速度が遅いだけでなく、お酒を飲む女性には特有のリスクもある。その代表が「乳がん」だ。

「食生活の欧米化などにより乳がんが増えていて、1980年代の4倍になったという報告もあります。初潮年齢が低下し、閉経年齢が上がっているので、エストロゲン(卵胞ホルモン)にさらされる時間が長くなっていることも理由の1つと言われています[注1]」(葉石さん)

[注1]検診の普及も罹患率の上昇に関係していると考えられている。