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SDGs、ゴールまで10年 企業はうねりを起こせるか

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NIKKEI STYLE

国連が提唱する「持続可能な開発目標(SDGs)」の目標年次である2030年まで残り10年となりました。日本企業の間でも、自社の事業に関連付け、実現を目指す動きが広がっています。半面、この言葉自体を知らないとの声もなお多く、日本全体で運動が盛り上がっているとは必ずしもいえません。

SDGsは国連サミットが15年9月に採択した目標です。貧困、教育、エネルギー、経済成長、気候変動といった17分野のゴール、169の具体的なターゲットを示します。SDGsはなぜ必要なのでしょうか。日本総合研究所の村上芽シニアマネジャーは「世界共通の目標なしに各国や企業がふるまうと、世界の状況がますます悪くなり、安全・安心で平和な世界とはほど遠い状態になると強く懸念されるからだ」と解説します。

SDGsの特徴は、国だけでなく、企業にも積極的な関与を求める点にあります。日本能率協会が19年7~8月に4979社を対象に実施した調査によると(回答率は12.9%)、SDGsを「知っている」と「ある程度、知っている」は計76.9%と18年調査の61.8%を上回りました。ただ、「具体的な目標を設定して取り組んでいる」との回答は14.2%(18年は9.0%)にとどまりました。他の機関による調査でも、企業の認知度は現時点で6~7割程度との結果が多く見られます。

同協会KAIKA研究所の近田高志所長は「SDGsを経営課題としてとらえる経営者は増えている。経営者が、イニシアチブをとって一般社員に浸透させながら企業全体で取り組む姿勢が大切だ」と強調します。

個人には浸透しているのでしょうか。調査会社の日本リサーチセンター(東京・墨田)が19年7月、15~79歳の男女1200人を対象に実施した訪問調査によると、SDGsの「内容まで知っている」は3.4%で、「全く知らない」が84.4%でした。国連の目標と聞くと、自分とは関係がないと判断する人が多いのかもしれません。

17のゴールを説明し、自分自身が率先して取り組めると思う項目を選んでもらうと「わからない・あてはまるものはない」との回答が43.8%で最多でした。井嶋有希チーフリサーチャーは「SDGsを『自分ごと』とみる人はまだ少ない。一般の生活者の認知度を高めていく必要がある」と指摘します。

SDGsのキーワードは「大胆な変革」と「誰ひとり取り残さない」です。一部の企業が取り組むだけでは、安全・安心で平和な世界は遠のくばかりです。地域住民にも参加を促し、大きなうねりを起こせるのはやはり先進企業ではないでしょうか。

村上芽・日本総合研究所シニアマネジャー「取り組み浅ければ淘汰も」

国連が提唱する「持続可能な開発目標(SDGs)」を推進するには何が必要でしょうか。ESG(環境、社会、ガバナンス)投資や気候変動リスクなどが専門の日本総合研究所の村上芽シニアマネジャーに聞きました。

――日本企業には、SDGsは浸透しているのでしょうか。

「最近の様々な機関によるビジネスパーソン向けアンケート調査をみると、SDGsを『知っている』と回答する人の割合が高い場合で30%。2018年までの調査では高くても20%でした。SDGsを意識する人は着実に増えています。ビジネスパーソンの中では、20~30代の男性の認知度が高い傾向があります。SDGsに関するセミナーを開くと男性の参加者が目立ちます。企業内でSDGsを担当する経営企画部門などに携わる社員の多くが男性である現状が影響している可能性があります」

「30%の認知度では、まだまだであるとは思いますが、いろいろなことを企画してビジネスを進めていく中核の層でSDGsを知る人が増えているのであれば、まずまずの進捗でしょう。学校でSDGsを学んできたという若い世代も増えています」

――日本企業の取り組みをどう評価しますか。

「SDGsへの取り組みは、トップダウンか、ボトムアップかといえば、トップダウンの要素が強いですね。人材を採用できなくなるとか、投資家から質問を受けるとか、経営トップがSDGsの大切さを認識する場面は増えています。経営戦略をはじめとする非財務情報も掲載する統合報告書を出しているような企業は積極的だといえるでしょう。ただ、自社の事業とSDGsとの『ひも付け』は終わっていても、実際に行動している企業は現状では限られています。ひも付けは、今ある事業の中から、どこに貢献できるかの整理であり、これから何をするかを考えるには発想の転換を求められます」

「日本は気候変動やジェンダー平等への取り組みが弱く、国際社会でSDGsへの取り組みを誇れる状況ではありません。一部の先進企業は日本政府ではなく、他国の政府の動きを見ています。グローバルな流れを見ているからこそ、動けているのではないでしょうか」

――どんな発想が必要ですか。

「例えば、素材メーカーなら、素材そのものよりも、自社が関わるバリューチェーンのどこで貢献できるのかを考えます。自社の技術を使おうとするのではなく、SDGsに貢献できる事業を探すのです。SDGsはゴールが明確に示されているので、そこからさかのぼって考える発想法は、企業にとっても、なじみやすいツールではないでしょうか。将来、こういう社会になっていくだろうから、こういうふうに貢献したいという発想です」

――日本企業の間に、SDGsに取り組んでいると見せながら、実際には貢献していない「SDGsウォッシュ」と呼ばれる現象は見られませんか。

「ないとは言えません。毎年の進捗を開示し、具体的な活動があったのか、なかったのかをチェックする仕組みが欠かせません。きちんとした指標を作っておかないと、変化を見るのは困難です。ただ、SDGsのゴールを目指して懸命に努力している企業が高く評価され、少しでも条件がよい資金調達ができるといった流れが生まれています。環境や労働問題にしっかり取り組まない企業はバリューチェーン上で淘汰されることも現実に起きています」

「女性管理職を増やすダイバーシティーの問題でも、最初は様々なコストがかかります。しかし、最終的には取締役会も含めて組織に多様性を持たせるほうが、業績もよくなると言われています。1年では成果が出ないかもしれないが、3~5年かけても実行すると宣言できるのが、トップであるはずです」

――大企業に比べると中小企業の関心は薄いとの調査結果もあります。

「積極的な中小企業も増えています。中小企業のほうがトップダウンで速く動ける傾向があり、そうした企業では人材獲得の面で大きな効果が生まれています。最近は、社会課題の解決を目標に掲げるベンチャー企業も多く、SDGsへの貢献と、自社の成長を結びつけて考えています」

(編集委員 前田裕之)

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