霞が関パパ、育児に奮闘 「段取り力」仕事にも

2019/12/31
休日に家族と出かける、厚労省で働く坂本さん(埼玉県三郷市)
休日に家族と出かける、厚労省で働く坂本さん(埼玉県三郷市)

男性国家公務員の育児休業取得率は21.6%だ(人事院調べ)。民間(6.16%)よりは高いものの、女性と比べると著しく低い。政府は2020年度から男性国家公務員に1カ月以上の育休取得を促すしくみを始める。霞が関で率先して両立に奮闘する男性らに、育休で得た気づきやその後の働き方を聞いた。

働き方改革の旗振り役でありながら、国会対応の多さなどから他省庁より長時間労働が多い厚生労働省。だが人事院によると、男性職員の育休取得率は2018年度、調査開始以来初めて5割を超えた。仕事と家庭を両立する「イクメン」も実は多い。

「仕事はパソコンとスマートフォンさえあれば場所を選ばないものも多いが、子育てはその時その場にいないといけない。一番重要なのはコアタイムに家にいることだ」。課長補佐として働く坂本裕一さん(35)は両立のカギをこう話す。6月に3女が誕生。専業主婦の妻と5人家族で、日々子育てに奮闘中だ。

坂本家の「コアタイム」は午前6時半~8時半と午後6時半~9時だ。朝は妻が子どもたちを起こして朝食の準備を進める間に、5人分の洗濯や風呂掃除、掃除などの家事を一通り終える。帰宅後は洗い物をして風呂上がりの娘たちの髪の毛を順番に乾かし、歯磨きをして寝かしつける。

坂本さんは仕事と家庭を両立し奮闘中だ

コアタイムに自宅にいるには生産性向上が不可欠だ。朝は電車通勤の30分間に統計などの資料を読み込む。午前中は審議会の資料作成、午後は会議や残務にあて5時半頃には帰る準備を始める。急な国会対応が必要になると、子供が起きる午前6時半までと寝た後の午後9時以降に自宅で仕事をする。緊急時は娘の歯磨きをしながら電話することもあるという。

3女誕生後に取った育休は3週間だった。長女が生まれた12年に2カ月間の育休を取得した。当時の担当分野で、複数の芸能人の親族が生活保護を不正受給していた疑いが浮上し問題化した。職場復帰した途端に国会対応などに追われ、平日はほぼ帰宅できない状況になったという。

「いくら育休中に頑張ってくれても、その後何もしないなら意味がない」。坂本さんの意識を変えたのは、ふと妻がこぼした一言だった。次女の誕生後、テレワークを使い午後6時すぎには帰宅する生活に切り替えた。「育休中だけでなく、子育てはその後も続く。毎日のオペレーションが回るよういかに分担するかが重要だと実感した」

「育休はぜひ男性も取るべきだ。妻の手伝いではなく、一定期間ワンオペでやった方がよい」。こう断言するのは、女児2人を育てる内閣府男女共同参画局の佐藤勇輔企画官(42)だ。課長補佐だった09年、長女が1歳になる7月から3カ月間の育休を取った。妻の妊娠判明前から「いずれ育休を取りたい」と考え省内で根回しを重ねた。当時は1カ月以上取得する男性は府内に数人のみで珍しがられた。