高所得層にじわり負担増 20年の家計の税制こう変わる

与党の2020年度税制改正大綱がこのほど公表された。老後に向けた資産形成や子育て、介護に対しては一定の優遇・負担軽減措置が講じられた。一方、海外の不動産を活用した節税が封じられるなど、高所得者には厳しい姿勢が目立つ。来年以降の家計の税制についてまとめた。

私的年金づくりを支援

個人や家計に関係のある税制改正のポイントを見ると、老後に備えた資産形成を後押しする見直しが目に付く(表A)。

19年は「老後2000万円問題」が紛糾したように、公的年金だけで老後の生活を支えるのは難しいことが浮き彫りになった。税制改正では少額投資非課税制度(NISA)や確定拠出年金(DC)などによる私的年金づくりを支援する姿勢が鮮明だ。

DCには企業型と個人型(イデコ)があり、加入者が選んだ商品の運用成績によって将来もらえる年金額が変わる。掛け金は全額、所得から差し引くことができ、その分、所得税や住民税を減らせる。配当、分配金、売却益といった運用益も非課税になる。

加入期間は企業型、イデコとも現在は60歳だが、原則、企業型を70歳、イデコは65歳まで延長する。また現行制度では勤務先に企業型DCがある場合、会社の規約がないとイデコに加入できないが、規約がなくてもイデコに加入できるようにする。「全員イデコ」時代の到来だ。

株式や投信の運用益が非課税になるNISAは24年から大幅に見直される。まず、つみたてNISAは期限が延長され、今年以降に積み立てを始めても20年は非課税で積み立てられるようになる。さらに、現在のNISAよりも非課税枠が大きい新NISAの創設も予定されている。

未婚のひとり親も所得控除

「子育て世帯や介護世帯にも一定の負担軽減措置が盛り込まれた」と大和総研の是枝俊悟研究員は指摘する。

未婚のひとり親に対しては、所得税で35万円の所得控除を受けられるようにした。具体的には現在、既婚者が配偶者と死別ないし離婚してひとり親になると受けられる寡婦(夫)控除を、未婚のひとり親にも広げる。既婚、未婚や男女の別を問わず課税所得500万円以下が要件だ。

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