2020年家計の心得 キャッシュレスと投資を味方に家計再生コンサルタント 横山光昭

このキャッシュレス決済は、今度どんどん普及していくと考えられます。日本というお国柄、現金払いがなくなることはないと思いますが、やはりキャッシュレス決済に触れずに暮らすことは難しくなるのではないかと思います。まして国のポイント還元事業は今年6月まで続くので、その間にコンビニでの支払いが2%OFFになることやポイントがたまりやすいことなど、ちょっとした「お得感」に慣れてしまうと、手放せなくなる人も多くなることでしょう。

「支出の見える化」が必要

ここで考えるべきことは、誰かが思うように「お金の使い過ぎになるツール」と思ったままにしてはいけないということです。つまり、上手に使い方をコントロールできるようにならなくてはいけないのです。

便利なので、いつもは買い物をしない場面でもジュースを買うといったこともあるでしょう。そういうことが増えすぎないように、「支出の見える化」をし、把握するということが必要になります。

昔、給料は手渡しでした。水道光熱費も自分で支払うということが当たり前でした。それが振込入金になり、口座引き落とし払いになり……。それでも支出の把握はきちんとできるようになったはずです。それと何ら変わりないと思います。ちょっと支出の出口が増えたというだけです。

ですから、家計簿アプリを利用したり、以前と変わらず、手書きで支出を把握したりということでもよいでしょう。QRコード決済のアプリの利用履歴を活用してもよいと思います。また、キャッシュレス決済の方法を自分が使いやすいもの1つに絞るという方法もよいでしょう。さらに複数の決済方法を利用したいという人は、アプリは複数利用しても、ひもづけるクレジットカードは1つにまとめるなど、支出の大本を一本化することも有効です。

そして、その使い方の「振り返り」を定期的にすることも大切です。

現金で払っても、キャッシュレスで払っても、元は自分のお金です。何も変わりはありません。そこを間違えなければ、上手に付き合っていくことが十分にできると思います。

老後資金のつくり方

次は老後資金です。

老後資金は長い目でみてつくらなくてはいけません。これは「老後2000万円問題」の報道がある前からずっとそうでした。ではいくら必要か? みんなが2000万円必要でしょうか。

今回の金融審議会の報告書で使われたモデルケースは、「夫65歳以上、妻60歳以上の無職夫婦の平均的な支出」です。つまり、一般のデータを多数集め、それを平均化したものですから、支出が現実的ではない部分があります。住居費などは家賃を払っているのか、ローンを払い終わり、管理費などを払っているのか状況がつかめないものです。

ただ、「平均」であるからモデルとなったのです。報告書の中でも「このケースの場合は30年間で2000万円の取り崩しが必要である」と言っているだけで、皆さんに必要だと言っているわけではないことがわかります。

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