ワカメなどの海藻 よく食べる人は心筋梗塞リスク低く

それらの人々を約20年間追跡し、脳卒中と虚血性心疾患の発症の有無を確認し、男性と女性を分けて、海藻摂取量との関係を調べました。分析においては、結果に影響を及ぼす可能性のあるさまざまな要因(居住地域、年齢、体格、余暇時間の運動習慣、喫煙習慣、飲酒習慣、高血圧、糖尿病、高コレステロール血症、総エネルギー摂取量、野菜、果物、赤身肉、加工肉、魚、大豆製品、緑茶、食塩の摂取量)について慎重に考慮しました。

8万6113人を149万3232人-年[注3]追跡したところ、4777人が脳卒中を発症し、1204人が虚血性心疾患を発症していました。

虚血性心疾患のリスクが男性で24%、女性で44%低下

男性では、海藻をほとんど食べない人を参照とすると、ほぼ毎日食べる人の虚血性心疾患のリスクは24%低くなっていました。一方で、海藻摂取量と脳卒中のリスクの間には、統計学的に有意な関係は見られませんでした。また、虚血性心疾患と脳卒中を合わせて、海藻摂取との関係を調べたところ、統計学的有意差は示せませんでしたが、リスクは12%低下する傾向が見られました。

女性についても同様に分析したところ、ほぼ毎日食べる人の虚血性心疾患のリスクは、ほとんど食べない人に比べ44%低いことが分かりました。一方で、海藻摂取量と脳卒中のリスクの間には有意な関係は見られませんでした。虚血性心疾患と脳卒中を合わせると、リスクは11%低下する傾向が見られましたが、統計学的有意差は認められませんでした。

以上のように、海藻の摂取量は、心筋梗塞などの虚血性心疾患の発症リスクと逆相関の関係を示しました。研究者たちは、「海藻を摂取する人は、健康に良い食事を心がけている可能性があるため、野菜や果物、大豆、魚、緑茶などの摂取量も考慮して分析したが、結果は一貫していた」と述べています。

論文は、2019年9月13日付のThe American Journal of Clinical Nutrition誌電子版に掲載されています[注4]

[注3]人-年:観察した年数と観察した人数を掛け合わせたもの

[注4]Murai U, et al. Am J Clin Nutr. 2019 Dec 1;110(6):1449-1455

大西淳子
医学ジャーナリスト。筑波大学(第二学群・生物学類・医生物学専攻)卒、同大学大学院博士課程(生物科学研究科・生物物理化学専攻)修了。理学博士。公益財団法人エイズ予防財団のリサーチ・レジデントを経てフリーライター、現在に至る。研究者や医療従事者向けの専門的な記事から、科学や健康に関する一般向けの読み物まで、幅広く執筆。

[日経Gooday2019年12月18日付記事を再構成]

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