妻のパート収入が想定超え 配偶者控除、再計算必要?

勤め先に早めに申し出れば通常、再計算をしてくれる
勤め先に早めに申し出れば通常、再計算をしてくれる

今年、妻がパートで働いて得た収入が当初見込んでいた額を超えそうです。そのため私にかかる所得税の金額も増えそうです。勤務先には年末調整の書類を提出済みですが、今後どう対処すればいいでしょうか。

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多くの会社では今の時期には年末調整の手続きが終わっています。年末調整は、毎月の給与などから源泉徴収していた所得税額と、本来納めるべき金額とを精算する手続きです。社員は生命保険料控除や住宅ローン控除などについての書類を会社に提出します。税金を会社が取りすぎていた場合は12月か翌年1月の給与に合わせて払い戻し、足りない分は追加で徴収して帳尻を合わせます。

しかし年末調整の終了後に税額の再計算が必要になることがあります。典型例が質問にあるケースです。パートで働く妻の収入は少なくて配偶者控除・配偶者特別控除が満額(38万円)適用されると思っていたところ、年末にかけて長時間働いたために収入が膨らんだという場合です。配偶者の収入が年150万円を超えると、自分の受けられる控除額は段階的に減り、税額は増える可能性があります。

勤め先に早めに申し出れば通常、再計算をしてくれます。その結果は1月または2月の給与に反映されます。社会保険労務士の井戸美枝さんは「勤め先の担当者の作業負担を考えて、少しでも早く報告したい」と話します。1月の終わり頃に源泉徴収票が配られてからでは遅すぎます。もしも間に合わなかった場合は、自ら税務署に確定申告する必要があります。

年末調整の終了後に再計算が必要になるケースは他にもあります。比較的多いのが扶養親族の数が変わる場合です。扶養していた子が結婚して独立したり、12月に子が生まれたりすると場合によって扶養控除の額に影響し、再計算の対象となることがあります。結婚でクリスマスに合わせて入籍し、その相手が配偶者控除などの適用対象になることもあります。離婚や死別などで配偶者がいなくなった場合も早めに勤め先に申し出て手続きをしましょう。

年末になって新たに生命保険などに加入し保険料控除の金額が変われば再計算が必要となります。このほか年末になって会社から臨時にボーナスが支給されれば、追加の給与支払いを理由に再計算が必要になるかもしれません。

新たに事情が生じたケースだけではなく、年末調整の際に控除を申告し忘れていた場合も再計算は可能です。井戸さんによると親を扶養に入れることになった場合や、20歳になった学生の子どもの年金保険料の支払いなどは見落としがちな控除なので注意が必要です。

[日本経済新聞朝刊2019年12月21日付]