製作費300万円の映画、だけど面白い

クリエーティブディレクターの佐藤可士和さん(54歳)は、12歳の長男と「価値と価格」についての話をすることを意識しています。「一緒にテレビを見ているときは、よくコマーシャルの制作料を話題にします。『このCMは相当お金をかけないとできないし、手間も半端じゃない。登場する人が多いし、セットも大仕掛けだ』『こっちは100分の1くらいの金額で作れるよ』といった感じに話しています」

2018年に大ヒットした日本映画「カメラを止めるな!」を親子で大笑いしながら見た後、この作品が300万円という低予算で作られた映画であること、一方で「スター・ウォーズ」の新作には数百億円の製作費がかかっていることを親子で語り合ったことも。物作りに興味があるという12歳の心に強い印象を残す時間となったに違いありません。

佐藤可士和さんの12歳の息子のやりとり

この『お金に強い子どもの育て方』には、今回ご紹介した4人の他にこんなお金のプロたちが自らのマネー教育について語ってくれています。

・森岡毅さん(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン=USJ=の再建に携わったマーケター)
・渋澤健さん(コモンズ投信取締役会長、渋沢栄一の玄孫)
・柴田陽子さん(「渋谷ヒカリエ」などを手掛けたブランドプロデューサー)
・田中靖浩さん(公認会計士、ベストセラー『会計の世界史』著者)
・塚原哲さん(ファイナンシャルプランナー)
・花輪陽子さん(シンガポール在住ファイナンシャルプランナー)
・吉川淳子さん(NY在住経済ジャーナリスト、ロイターニューヨーク勤務)
・井村俊哉さん(個人投資家、元お笑い芸人)

12人に共通していたのは、子供に自分の働く姿を見せること。お金は何もせずにわいてくるわけではなく、両親が一生懸命働くことで生みだしたものであること。自分の損得だけでなく、誰かの幸せのためにお金を使う大切さも様々な形で伝えています。

お金について子供と話すのは、親たち自身の人生の価値観を伝える機会でもあるのです。

(日経BP 日経マネー編集委員 安原ゆかり)

お金に強い子どもの育て方

編著者 : 日経マネー編集部
出版 : 日経BP
価格 : 1,540円 (税込み)

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