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西野七瀬 『あな番』を乗り越え、少しはタフになれた

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NIKKEI STYLE

日経エンタテインメント!

ドラマ『あなたの番です』(日本テレビ系)の女子大生・黒島沙和役で、女優としての存在感を高めた西野七瀬が、次に挑んだのが、2019年11月29日に公開されたアニメーション映画『コルボッコロ』だ。巫女の血を継ぐ14歳の姫が、精霊と出会い、街の秘密を知ることで危機に陥り成長していく姿を描いたファンタジー。西野は主人公の鈴を演じた。

「声優のお仕事は、映画『ONE PIECE FILM GOLD』(16年)で1回経験したんですけど、その時はゲスト声優が何人かいるなかで、セリフも一言、二言という感じでした。主役をやらせていただくのは初めてだったので、また1つ、新しい挑戦ができそうだなと思いました。

今回は収録の前に、一度、練習のためにスタジオに入らせていただいたんです。監督は来られなくて、音響監督の方とじっくりやったんですけど、その時はできなさすぎて、半泣きでした(笑)。声を出すタイミングで映像に合図が出て、その間にセリフを収めなきゃいけないんです。だけど台本を見て、モニターを見て…とやっていると、全然収められない。掛け合いのシーンになると、全然もう、ダメダメでした。

特に難しかったのは、冒頭の塔を登るシーン。セリフはなくて、『うっ』とか『ふぅ』とか息だけでお芝居をしなくてはいけないのに、そのアドリブができなくて。そういう"息芝居"に力を入れながら、収録日まで家で映像を見ながら、練習しました」

監督は、宮崎駿に師事した経験を持つ糸曽賢志監督。西野の練習の成果について聞くと、「すごく練習してきてくれたみたいで、収録では息のアドリブをガンガン入れていました。素晴らしかったですよ」と話す。また糸曽監督が驚いたと言うのが、台本のメモ。「映像の端に、何分何秒と、常にカウントされている数字があるんです。声を出すタイミングに遅れないように、そのタイムコードを台本のセリフの頭に全部メモしていて、びっくりしましたね」。

「練習の時に、音響監督さんに教えてもらったんです。『プロの声優さんは、こういうやり方をするよ』って。だから家に帰って、映像を流しては止め、秒数を書いて、また映像を進めて秒数を書いて…を繰り返して。地道な作業でしたね。そのうえで練習を繰り返して収録に行ったら、『この前と全然違うね』と褒めてもらえて、うれしかったです。糸曽監督には『負けず嫌いなんだね』と言われましたね。声だけで見透かされた、と思いました(笑)。

本番で難しかったのは、『自然な感じで』と言われたこと。『普段、関西弁でしゃべっている感じでいいよ』と糸曽監督に言ってもらえたんですけど、セリフを読むとなると、ちゃんと言おうとして低めの声になる。それに声だけで表現するとなると、多少はやっぱり、誇張しないといけない部分もあるので、バランスが難しかったです。キャラクター感という意味では、去年の『電影少女-VIDEO GIRL AI 2018-』をちょっとだけ思い出したりしました」

自分でも驚いた卒業後の変化

女優として活動する一方、ファッション誌『non-no』やイベント「Rakuten Girls Award」などでモデルとして活躍。『ライオンのグータッチ』(フジテレビ系)や『グータンヌーボ2』(関西テレビ)などのバラエティ番組にも継続して出演している。乃木坂46卒業後、これらの仕事の向き合い方に、変化はあるのか。

「モデルもバラエティも、もとから1人でのお仕事だったので、そこまで変化はないかもしれないです。変化ということでは、最近、『いい気が出てるね』とか『前とは全然違うね』とか言ってもらえることが増えました。自分でもなんとなく、そう感じていたんです。ちょっと明るくなったり、積極的に人に話しかけられるようになったりしたかなって。そんなふうになれるとは思ってなかったからうれしいし、それを人から言われると余計にうれしい。『やっぱり』みたいな感じになってます(笑)。

変わったきっかけは、やっぱり『あな番』が大きかったと思います。半年間も同じメンバーと取り組んでいたので、人と話すことに慣れたというか。それまでは自分で何重にも壁を作って、究極は挨拶以外しゃべらない、みたいなこともいっぱいあったんです。自分のことでいっぱいいっぱいで、他の方と話すことにもあまり興味がなかった。でも『あな番』の時に『舞台の本番中に、こんなハプニングがあって』とか役者さんの話を聞いていたら、『面白い』と思えて。そういうエピソードが、みなさんにあるわけじゃないですか? それを聞けるのはすごく楽しいことなんじゃないかと、25歳にして初めて気付きました(笑)。

あと、乃木坂46だったときのお仕事に対して、『握手会って、どんな感じなの?』とか『女の子同士で大変じゃないの?』とか、いろいろ聞いてもらえることも多かったんですよ。そういうなかで、『あれ? 人としゃべるのって楽しいぞ』と(笑)。それに気付けたっていうのが、この1年の変化として、すごく大きい気がします」

西野は卒業後、新たなファンを増やしている。株式会社アーキテクトが実施している「タレントパワーランキング」のアンケート調査によると、西野の認知度は18年11月度調査で32.1%だったが、卒業後の19年2月度に35.6%に上昇。『あなたの番です』が佳境に入った8月度には42.7%へとジャンプアップしている。特に伸び率が高いのが女性だ。18年11月度は35.6%だったが、19年8月度には49.3%と15%近くも伸ばし、50%に迫る勢いとなっている。グループ時代から応援してきた男性ファンに加え、女性のファンが増加していることがうかがえる結果だ。

今後は女優、モデル、バラエティタレント、声優などの選択肢が考えられるが、本人は、どの仕事に力を入れたいのか。

「えー、全部大切ですけど…お芝居、なのかなぁ…。お芝居をやっぱり、やっていきたいです。経験がない分、まだまだ知らないことだらけ。まだお芝居の世界では初心者だから、もっと力をつけたいし、いろんな役を経験したいです。例えば、大阪出身なので、大阪弁の役とかをやってみたいですね。大阪の人は明るくチャキチャキ、みたいなイメージがあると思うんですけど、私はそっちタイプではなくて。難しいんですけど、大人の関西弁の女の人を演じてみたいです」

西野の「女優力」には、どのようなものがあるのか。『あな番』の鈴間氏は「彼女にしかない独特の空気感が魅力」と語る。

「すごく派手でもないし、自己主張が強いタイプの女優さんでもないんですけど、独特のたたずまいでそこにいる。普通なようで普通じゃない空気感があるんです。それは持って生まれたものだと思うので、他の人にはマネできないと思います。

あと、ダンスをやっていたので、身体能力が高くて、身のこなしがキレイですよね。殺人シーンで黒島ちゃんがダダッと走ってターンする場面があって。そのリハーサルの時には、現場が『おおー!カッコイイ!』と盛り上がりましたね」(鈴間氏)

糸曽監督は「1番は、『根性がある』ということじゃないですか?」と話す。

「『コルボッコロ』では、多い時は何テイク録ったか分からないぐらい、リテイクを出したんです。でも絶対に『やめたい』と言わずにやり続けてくれました。諦めないことは、女優業だけなく、すべてにおいて大事だと思うんです。しかもリテイクするたびに言い方を換えてくる。手探りながらも、食らいつこうとするんですよね。その負けず嫌いな感じが、『コルボッコロ』の鈴という役にも合っていたと思います。

今回は20人くらい入れるブースに、1人で入ってもらって収録したんです。防音なので、中は完全に無音。孤独で、ずっといると怖いはずなんですよ。その中で延々台本を持って、真摯に向き合ってくれた。しかも僕が1つひとつのセリフにこだわったので、時間が予定よりオーバーしてしまったんですよ。昼から深夜までかかったのに、彼女は『最後までやりたい』とギリギリまで応えてくれました」(糸曽監督)

「負けたくない」と思った

両氏が挙げるのは、「奥行き感」だ。鈴間氏は「本当は何を考えてるのかつかめない(笑)。華はあるんですけど、陰か陽かで言うと、陰なんですよね。でもジメッとはしていなくて。そこが独特の魅力になっている」。糸曽監督は「彼女と話している時、もし仮に、この姿や話している内容がすべてウソだったら…と一瞬、思ったんです。裏にはどんな本質があるんだろうと、想像力を掻き立てられました」。

西野自身は、これらの証言について、どのように感じるのだろうか。また、自身で感じる、女優としての武器とは?

「根性は…あると思います。自分ではそんな自覚はなかったけど、『芯が強い』とも言われます。あと、『陰がある』も言われますね。自分もどちらかというと、そういう人が好き。ずっと明るい人もうらやましいですけど、私はなれない(笑)。うーん、そこまでなりたいとも思ってないのかも(笑)。

自分の強みは分からないけど、自己分析すると、真面目だとは思います。まじめって良いことのほうが多いんですけど、たまに真面目すぎて、自分でしんどくなる時がある。

あとはやっぱり、負けず嫌い。もともと勝負事なんてどうでもいいと思っていて、あまり『悔しい』と思ったことはなかったんです。それが乃木坂46に入ってから、『自分は、こんなに悔しがれるんだ』と知りました。いろんな場面で何回も思ってきましたね、『悔しい』って…」

「明るくなった」というこの1年でも、悔しいと思ったり、涙を流したりしたことはあるのだろうか。

「ありますね。『あな番』の最中も、不安すぎて、家で1人で泣いたりしてました。周りの役者さんが、すごいじゃないですか。テレビや映画で見ていた人ばっかり。そんななかで、自分が黒幕の役をやっていいのか、プレッシャーに押しつぶされそうになって。特に後半、視聴率が上がっていった時は、『このまま最終回を迎えずに終わってくれないかな』と考えたりもしました。

だけど、乗り越えようと決めていたのに、それをできないっていうのが、一番嫌だったんです。『絶対、負けたくない』と思って、なんとか持ち直してって感じで…。でも、ずっとタフではいられなかったですね。

女優さんって、心身ともにタフなイメージがあるんです。私は『あな番』を乗り越えたことで、少しはタフになれたんじゃないかと思います。上を見ればきりがないと思うけど、いける限りは上を目指して、強くなっていきたいです」

(ライター 泊貴洋)

[日経エンタテインメント! 2019年12月号の記事を再構成]

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