男性との違いを発揮してこそダイバーシティー

しかし、男性だらけの会議の衝撃は、陶山さんを動かした。丸1日続いた会議のあと、夜の情報交換会で陶山さんがあいさつすることになったとき、思わずこう言った。「消費者の半分は女性ですから、これからは部店長会議の出席者の3割を女性にすることを目標にがんばりたい」。

当時、会議に同席していた西沢敬二氏(現在、損害保険ジャパン日本興亜社長)は陶山さんの発言を覚えていた。13年、女性初の執行役員に就任したとき、西沢氏は陶山さんにこう言ったという。「自然体でいい。男性と同じにするのではなく、違う部分を発揮してもらいたい。それがダイバーシティーだから」。

コールセンター業務を担うSOMPOコミュニケーションズには様々な働き手が集まっている

陶山さんは当時を振り返って、「私自身、男性中心の社会で男性に同化すべきだと誤認して働いてきた。特に総合職に転換したあと、男性と遜色なく働くことを目指した結果、苦しい時期がありました。西沢さんのひと言で私は解き放たれました」と語る。服装を例に取れば、17年にグループ会社であるSOMPO企業保険金サポート(東京・千代田)の社長に就任したころから、陶山さんは地味なパンツスーツ一辺倒を卒業し、華やかな色味やスカートなども選ぶようになった。

次のページ
先達、夫にもらった、宝物のアドバイス
ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら