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SOMPOコミュニケーションズの陶山さなえ社長は社長就任後、スカートも選ぶようになった

SOMPOコミュニケーションズの陶山さなえ社長は社長就任後、スカートも選ぶようになった

SOMPOホールディングスのコールセンターを運営するSOMPOコミュニケーションズ(東京・豊島)の陶山さなえ社長は、かつて職場では地味なパンツスーツばかり着ていた。「会社は男性社会。見た目も行動も男性と一緒にして目立たないようにすべきだ」。それが一般職から総合職に転じ、キャリアを上っていくうえでの処世術だと思っていた。しかし、立場が高まるにつれて「男性と同化するのではなく女性が女性として活躍するのが真のダイバーシティー(多様性)」と気づいた。

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陶山さんは働く母、そして今は祖母でもある。入社の翌年にあたる1980年に23歳で結婚し、26歳のときに長女を出産している。当時は結婚や出産のタイミングで「寿退社」するのが当たり前だった。しかし、先輩社員の指導で約款の読み方を知り、仕事のおもしろさに目覚めていたから、仕事をやめたいと思えなかった。産休をとって職場に復帰した。

夫は「働かざる者、食うべからず」というポリシーを持った男性だった。「必ずしも金銭的な収入という意味ではなく、誰かに依存する人生は面白くないよね、と。だから仕事を続けることに賛成してくれました」。結婚当時から夫の両親との同居だったので、長女の世話は主に義理の母が引き受けてくれた。安易にすべてを丸投げにしたわけではない。ベビーシッターを週に2、3回頼んで、義母の負担が重くなりすぎないよう、態勢を整えた。こうして育った長女は結婚し、今は子育てをしながら働いている。孫は4歳だ。

しかしというか、やはりというか、陶山さんは、自分が女性であることをずっと引け目に感じていたという。その陶山さんが「思わず本能から発言した」と振り返る出来事がある。2011年、女性初の部長になって初めて、部店長会議に出席したときのことだ。

出席者は300人。女性は一人きりだ。「ピンクのスーツでも着ていこうかしらと一瞬思ったけれど、やはりそれまで通りに地味なパンツスーツで出かけました」。中身も見方も行動様式も、すべて男性と同じにしていくほうがいいだろうと思ったからだ。

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