日経Gooday

体を休めるためには「味噌汁の油揚げ」にも注意

「どれほど睡眠を取れば十分なのかは、個人差が大きいので一概には言えません。私は、だいたい6時間の睡眠で十分です。8時間寝てしまうと、体がスッキリしないことがあります。なお、お酒を飲むと睡眠が浅くなり、体も脳も十分に休めない状態になりやすいので注意が必要です」(中野さん)

仕事で頭をフル回転させた直後や、運動した直後に「さあ、寝よう」と思ってもなかなか寝つけないだろう。これは、自律神経のうち、体を活発にする交感神経が優位になっていて、体をリラックスさせる副交感神経に切り替わらないためだ。そんなときは、ストレッチや後ほど紹介する漸進的筋弛緩法などで体と脳の緊張をほぐそう。入浴は、一般的に、寝る1~2時間前に済ませ、熱すぎない40~42℃程度のお湯につかるとよい。

「寝る前の食事の取り方も重要です。夕食に脂肪分が多いものを食べると、消化に時間がかかって内臓が休まらず、体が十分に休まらない傾向があります。味噌汁にしても、油揚げではなく豆腐やわかめを入れる、などの工夫をしたほうがいいですね」(中野さん)

陸上選手は、高地に行ってトレーニングをすることがある。中野さんは高地トレーニングに同行した際、指導しているアスリートがよく眠れていることに気づいたという。

「高地で睡眠の質が上がった選手が多かったですね。聞いてみると、『ネットもないし、ほかにすることもないので寝ていました』という選手もいました。休暇などで標高の高いところに行って体を休ませることは、日ごろの疲れを解消するのにいいかもしれません。ただ、個人差があるので、環境が変わったせいや、酸素が薄いことで逆に睡眠の質が下がるという報告もあるので注意が必要です」(中野さん)

椅子に座って行う「漸進的筋弛緩法」

中野さんは、「夜になっても交感神経が優位な状態が続いて、疲れているのに緊張感があって眠れないような人は、『漸進的筋弛緩法』を試してみてください」と言う。漸進的筋弛緩法は、100年ほど前にアメリカの医師、エドモンド・ジェイコブソンによって開発された、世界的に評価されているメソッドで、頭からつま先まで、全身の筋肉を徐々に緩めていく。

ここでは、椅子に座って行う漸進的筋弛緩法を紹介しよう。寝る前はもちろん、デスクワークなどで肩回りの筋肉が緊張した場合にも有効だ。

【椅子に座って行う「手」の筋弛緩法】

1.椅子に座り、両腕を伸ばし、手のひらに力を入れながら握っていく。6~7割程度の力で拳を5秒握りしめる。

2.一気にストンと力を抜く。脱力した状態で10秒キープ。これを2~3セット繰り返す。

次のページ
肩から全身にかけての筋弛緩法
ウェルエイジング 健康で豊かな人生のヒント