半沢直樹ドラマでIT企業の専務役に挑む(井上芳雄)第58回

日経エンタテインメント!

井上芳雄です。12月は、年明けから始まるミュージカル『シャボン玉とんだ 宇宙(ソラ)までとんだ』のけいこの合間をぬって、FNS歌謡祭に出演したり、『半沢直樹』の新年スペシャルドラマの収録があったりと多忙な日々が続いています。朝からドラマの収録、昼は舞台のけいこ、夜は歌謡祭のリハーサルという日もありました。肉体的には大変ですが、自分ができるいろんな表現を求められているのは光栄なこと。やりがいのある日々です。

『半沢直樹イヤー記念・エピソードゼロ~狙われた半沢直樹のパスワード~』は2020年1月3日(金)23時15分~TBS系で放送。IT企業スパイラルの専務、加納一成を演じる井上芳雄

12月4日には、フジテレビ系で生放送された『2019FNS歌謡祭』に出演して、ミュージカルメドレーのコーナーで、京本大我君と『エリザベート』から『闇が広がる』をデュエットしました。大我君は『エリザベート』のリニューアル以降、ルドルフ役を演じていて、僕はトート役として一緒にやってきました。彼は来年出演しないので、このタイミングで一緒に歌えて「うれしいね」と話して、衣装もメイクもないけど、劇中と一緒の気持ちで臨みました。彼はジャニーズのアイドルをやりながら、最初からミュージカルをやりたいと考えていて、今後も舞台はやりたいそうです。歌がうまくて、高い音域も楽に出せるし、ミュージカルの歌い方や演じ方を毎回追求している勤勉なところもあります。ミュージカル界には、頼もしい存在です。

槇原敬之さんと『世界に一つだけの花』を歌えたのもうれしかった。城田優君、山崎育三郎君と僕の3人で一緒に歌わせていただきました。槇原さんの曲は昔から大好きでずっと聴いていて、僕のアルバムでカバーしたこともあります。でも、お会いするのは初めて。腰の低い方で、「一緒に歌ってもらえるのはうれしい」と言ってくださって感激しました。僕は本人を前に、大好きでしたとは言えませんでした。好き過ぎて、逆に何も言えないってことありますよね? 僕の場合は、それでした。

そんなふうに、FNS歌謡祭はふだんは接点のない方とお会いできて、お話しできる貴重な場でもあります。声優の宮野真守さんや蒼井翔太さんは、ミュージカルに出ているので、「あの曲は大変じゃないですか」といった話をしました。THE ALFEEの高見沢俊彦さんからは「ラジオ聴きました」と言っていただいたり、出演者同士の交流が楽しかった。年末のお祭りみたいなところがあって、その熱にあてられたような感じもありました。

ミュージカル俳優の仲間も、たくさん出ていました。一昔前は地上波のゴールデン帯(19~21時)の音楽番組でミュージカルを真正面から取り上げてくれる機会はほとんどなかったから、「ありがたいね」という話を、濱田めぐみさんやみんなと話していました。

いろんなタイプの歌手が集まるFNS歌謡祭のような場に行くと、ミュージカル俳優の特徴がよくわかります。体が大きい人が多いし、何よりやたらと声が大きい。たいていのシンガーは歌うときに、耳にイヤーモニター(通称イヤモニ)をつけます。自分の声がどう聞こえているかをチェックするためのもので、イヤモニがあればスピーカーの音が届きにくかったり、反響が大きかったりしても、自分の歌声がはっきり聞き取れます。なので歌手の人は、実はそれほど大きな声を出していません。

一方、ミュージカル俳優は、歌うときに音を取りにくいのが当たり前というか、劇場全体に音が響いていても何とか歌うのが日常。イヤモニをつけずに歌うことに慣れているから、ほとんどの人はつけないし、つけていても途中でとってしまう人が多い。それで、もともと声が大きい上に、歌うときは声を出さないといけないとも思っているから、やたらと声が大きくなってしまう。なので放送では、音声さんが調整して下げているのだと思います。僕もテレビで歌うと、「井上さん、今日は抑えていますか」といろいろな人に聞かれるのですが、抑えているわけではなくて、調整されているのだと思います。

昨年『ナイツ・テイル-騎士物語-』のパフォーマンスで一緒に出た堂本光一君は、今年は『Endless SHOCK』の舞台そのままのフライングを披露してくれました。会場の飛天で初めてフライングするのを、なぜだか分かりませんが、すごく恥ずかしがっていました。僕は「何も恥ずかしいことないんじゃない。みんな楽しみにしているよ」と光一君に話して、光一君もこっちもいじってくれたりして、楽しかったですね。

FNS歌謡祭への出演は周りからの反響も大きく、お茶の間の盛り上がりもすごく伝わってきて、大切な時間を過ごしているなと感じました。

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