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1階の総合売り場・ビジネス書コーナーに前著や同時期に出た新刊と並べて展示する(八重洲ブックセンター本店)

1階の総合売り場・ビジネス書コーナーに前著や同時期に出た新刊と並べて展示する(八重洲ブックセンター本店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測している八重洲ブックセンター本店だ。年末に入って経済予測本、ビジネススキルや思考法の本など、相次ぐ新刊への反応はよく、ビジネス書全般は安定した売れ行きが続いている。そんな中、書店員が注目するのは、口コミデータに基づいて日本の職場の問題点と勝ち続ける組織の条件を探った人気ビジネス書著者の一冊だった。

『天才を殺す凡人』著者の新刊

その本は北野唯我『OPENNESS(オープネス) 職場の「空気」が結果を決める』(ダイヤモンド社)。著者の北野氏は就活サイトを運営するワンキャリア(東京・渋谷)の最高戦略責任者。キャリア設計や組織をテーマに、『転職の思考法』(2018年刊)、『天才を殺す凡人』(19年刊)と、立て続けにベストセラーを出した人気の著者だ。小説仕立てのビジネス書だった前2作から一転、今度はオープネスをキーワードに日本の組織の問題点、そこを改善していく方策を考察した職場論だ。

キーワードになっているオープネスとは何か。著者は「開放性」の訳語を当て、「情報の透明性であり、戦略のクリアさであり、リーダーの自己開示性である」と定義づける。このオープネスが日本の組織には足りておらず、そのことが従業員の満足度や企業業績を下げる結果につながっているというのが著者の見立てだ。

この仮説を明らかにするために著者が使うのが、320万人、840万件以上の社員の口コミに基づき、企業の年収、待遇から職場環境までを評価したサイト「オープンワーク」(旧ヴォーカーズ)のデータだ。オープネスと従業員満足度・企業業績との相関関係が口コミデータから詳細に浮かび上がってくる。

職場の空気は業績と強い相関

経営者が社員にどれだけ情報を開示しているか、従業員が自分の仕事を意思決定する上で、十分な情報に容易にアクセスできると感じているか、従業員がありのまま自分の才能を自由に表現しても他者から意図的な攻撃を受けないと信じられるか――この3点の度合いでオープネスは決まる。要は安心と緊張を適度なバランスで保ちつつ目標に向かって仕事ができる職場の空気感こそ、オープネスに他ならない。

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