キャッシュレス決済 2020年は賢く使いお得に貯金考えておきたいお金の話(4)

新たな悩み、「財布の軽さ」実感できない時代へ

このように「便利さ」と「お得さ」が高まる一方で、私たちが注意すべき課題もあります。それは「節約の軽視」です。

ポイントがどんなにたまったとしても、「1000円分のポイントをためたので、1000円貯金しよう」という人はほとんどいません。不思議なもので、どんなに電子マネーで得をしても、私たちはそれを資産形成に転換しにくいのです。

また、電子マネーには重さがありません。2万円チャージしたスマホだろうと、1グラムも重くなることはないわけです。これは「財布の重さ」から解放されるということですが、財布が軽くなると支出を引き締めるという簡単な節約ルールが崩壊することでもあります。

特に電子マネーをクレジットカードでチャージしてしまうと、今現在の口座残高に関係なくお金が利用でき、かつ支払いは翌月以降に繰り越されます。消費と決済の時点がずれることになり、お金を使った感覚が得にくくなります。

キャッシュレス決済を「利用するか利用しないか」のステージは終わりました。2020年はむしろ「賢く利用する」方法を考えていくステージになります。キャッシュレス決済を利用して得した分をしっかり貯金できるようになって、はじめて成功ということになりそうです。

さて、今年もいろんなテーマについてマネーハックの視点で考えてみました。2020年もまたお金について自由に発想して、得する生活、賢い消費を考えていきたいと思います。みなさん、よい年をお迎えください。

マネーハックとは ハックは「術」の意味で、「マネー」と「ライフハック」を合わせた造語。ライフハックはIT(情報技術)スキルを使って仕事を効率よくこなすちょっとしたコツを指し、2004年に米国のテクニカルライターが考案した言葉とされる。マネーハックはライフハックの手法を、マネーの世界に応用して人生を豊かにしようというノウハウや知恵のこと。
山崎俊輔
フィナンシャル・ウィズダム代表。AFP、消費生活アドバイザー。1972年生まれ。中央大学法学部卒。企業年金研究所、FP総研を経て独立。退職金・企業年金制度と投資教育が専門。著書に「読んだら必ず『もっと早く教えてくれよ』と叫ぶお金の増やし方」(日経BP)、「大人になったら知っておきたいマネーハック大全」(フォレスト出版)など。http://financialwisdom.jp
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