日本酒専用セラー マイナス5度保存の威力は絶大

日本酒はマイナス5度で保存することでフレッシュさがキープできる(写真はイメージ=PIXTA)
日本酒はマイナス5度で保存することでフレッシュさがキープできる(写真はイメージ=PIXTA)

「日本酒に最適な環境を家庭でも実現することにより、日本酒の楽しみ方を広げたい」という思いから生まれたのが、アクアが開発した日本酒専用セラー「SAKE CABINET」だ。日本酒はフレッシュな味わいや香りのものの人気が高く、本来貯蔵にはワイン以上に気を使わなければいけない。しかし、これまで普及価格帯の日本酒用セラーはなかった。

日本酒保存に最適な環境とは?

SAKE CABINETの特徴は大きく3つある。「徹底した温度管理」「遮光性」「縦置き可能な庫内デザイン」だ。

設定パネル。マイナス10度から10度の範囲で温度設定できる。

セラー内の温度は、日本酒の保存に最適な温度とされる「マイナス5度」をベースに、マイナス10度から10度まで5度毎で5段階での調節ができる。「マイナス5度」で保存することにより、できる限り酒質を変化させずに日本酒本来のフレッシュな味わいをキープすることが可能だ。逆に「熟成により少しずつ変化する味わいを楽しみたい」という場合には、温度を少し高めに設定することにより、一定の環境をキープしながら、熟成による味わいの変化も楽しむこともできる。

日本酒の品質管理に大敵なのが紫外線だ。光にさらされることによる酒質の劣化を防ぐため、遮光性にも配慮している。セラーの扉は完全密閉型にし、外からの紫外線は100%カットした。庫内の照明には、蛍光灯と比較して紫外線量を200分の1に抑えた青色LEDを採用した。

紫外線をカットするため、扉にガラスを入れなかった。価格は税込み9万9800円
一升瓶も縦置きできる

ワインはコルクを湿った状態にするために横置きで保管するが、日本酒の場合、横置きよりも縦置きで保管した方が空気に触れる面積が少なく、酸化による酒質劣化を防ぎやすい。SAKE CABINETには四合瓶12本、一升瓶9本が収納でき、高さのある一升瓶も縦置き可能な設計だ。さらに引き出し式の小物用の保存スペースとサイドポケットの棚があり、小容量の日本酒や酒器も保存可能になっている。

上記に加え、黒を基調としたスタイリッシュなデザインもこだわりのポイントだ。鏡面の扉には七宝柄を配し、和モダンなインテリアとしてもなじむシックなデザインを取り入れた。また、容量が100リットル台とそれなりに存在感があるため、セカンド冷蔵庫として利用されることを想定して、目立ちすぎずさりげない高級感が出せるように意識したという。

シックな七宝柄

「マイナス5度」の有効性

「開発のきっかけは、『自宅に日本酒の置き場がない』というクライアントとの何気ない会話だった」と話すのは、アクアマーケティング本部新規ビジネス企画グループマネージャーの吉田鉄平氏。冷蔵庫では長期保管や縦置きも難しく、常温保存では温度管理ができない……。日本酒の家庭での管理の難しさに着目し、「保存環境の違いで、酒質にどのくらい差が出るのか調査をすすめるうちに、温度管理の重要性に気づいた」という。

日本酒の味わいを決める成分に含まれる酵母や酵素等の活動は、低温になればなるほど鈍くなる。なかでも火入れをしていない生酒は、酵母が生きたまま残っているため、低温をキープすることが特に重要になる。日本酒が凍らないぎりぎりの温度であるマイナス5度で保存すれば、酒質の劣化を最低限に抑え、本来の味わいをキープしたまま保存できるというのが、「マイナス5度」に設定した理由だ。「日本酒も温度管理が重要」という考えは業界内でも広がっているものの、設備投資もかかるため、必ずしも全ての蔵や料飲店がマイナス5度での保存を実践できているわけではない。だが、「伯楽星」で有名な新沢醸造店では、製造から出荷に至るまで全てのお酒をマイナス5度で保存し、徹底した温度管理にこだわっているという。

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マイナス5度保存の効果は?
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