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2019年家電は「個電」が人気 調理器具はダイニングへ

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NIKKEI STYLE

モノから振り返ると2019年はどんな一年だったのか。「文具」「AV機器」に続く、最終回は「家電」を取り上げる。家電コーディネーターの戸井田園子さんによると、目立ったのは「家電の常識」が変わったことを実感させる製品だったという。

対象は個人。「家電」から「個電」へ

これまで日本の家電メーカーは「4人家族」を「標準世帯」と想定して、家電を開発してきました。しかし2015年の国勢調査を見ると、日本の一般世帯数のうち、1人暮らしの「単独世帯」が占める割合は34.6%、「夫婦のみの世帯」が20.1。2つを足すと50%を超えます。4人家族を前提に開発された「家電」が現実的ではなくなってきているのです。

2019年はそんな家庭事情を反映し、「一人暮らし」や「夫婦のみ」という人たちに照準を合わせた家電が数多く登場しました。これらは家族ではなく個人で使う、「個電」というべき存在です。

個人で使うことを想定した製品といえば、夏に爆発的ヒットとなったモバイル扇風機を思い浮かべてもらえるとイメージしやすいかもしれません。これまで空調は部屋単位で管理するのが当たり前でしたが、個人が管理する時代になったのです。

空気の温度だけでなく、湿度や質も個人で管理するようになってきています。例えばポータブル空気清浄機「Leaf Portable」(カドー)は、500ミリリットルのペットボトルとほぼ同じサイズながら高性能フィルターを搭載。花粉やPM2.5をしっかり除去します。自分のデスクに設置したり、旅行先のホテルで使用したりと、ごく狭い範囲の空気をクリーンに保つ目的で作られました。同様の製品は、ダイソンなどの他メーカーからも発売されています。

調理家電にも、個電は浸透し始めています。「<炊きたて>土鍋ご泡火炊きJPG-S100」(タイガー)は、1合炊きのおいしさを極める「料亭炊き」機能を搭載。「夫婦2人分のごはんをおいしく食べたい」という家庭に支持されヒットしました。

4月に登場し初回出荷分が予約時点で完売したトースター「ブレッドオーブン」(三菱電機)は、3万円のトースターですが、1度に1枚しか焼けない。いかにパンがおいしく焼けるとはいえ、これまでの常識では考えられない製品です。しかし、1人暮らしなら問題ありません(記事「1枚しか焼けない3万円トースター 完売の秘密は?」参照)。

さらに生活スタイルの変化も影響しています。最近は子育てをしながら共働きをしている家庭も増えています。親も子どももバラバラに朝食をとっている家庭なら、1度に焼くパンの枚数が1枚でも問題ない。多人数の家庭でも1人ずつ使う個電が求められているというわけです。

ちなみに共働き家庭が増え、生活時間がバラバラになった影響で、冷蔵庫や洗濯機は大型化が進んでいます。「いざというときにあわてないように食材をまとめて買っておく」「洗濯は時間があるときにまとめてすませる」というニーズがあるので、人数が少ない家族でも大型を選ぶようになったのです。

キッチン家電からダイニング家電へ

もう一つのトレンドは、調理家電がキッチンの外へ出てきたこと。ダイニングで使うことを想定した調理家電が増えているのです。記事「今年の家電、主役は大手の記念モデル・ニッチな個性派」では2018年の注目家電として「食卓に出しっ放しにしておけるホットプレート」を取り上げましたが、その傾向が他の家電にも広がっています。

ここには「家事シェア」に対する意識の高まりが影響しています。調理家電をダイニングに置けば、自然と家族も家事に参加するようになります。例えば、先にご紹介した「ブレッドオーブン」は、ダイニングに置いても違和感のないデザイン。キッチンからダイニングに設置場所を変えることで、朝食の準備を家族にシェアすることができます。家事シェアの時代には「キッチン家電」ならぬ「ダイニング家電」が求められているのです。

ダイニング家電に必要なのは、テーブルの上に出したままにしておけるデザイン性の高さ。ホットプレート以外にも、卓上で使える電気調理鍋、さらにダイニングにおいても違和感のないデザイン性の高い冷蔵庫なども発売されました。この傾向も続いていくと思います。

実際、「買った直後に何度か使ったけど、今はキッチンにしまったまま」というキッチン家電をダイニングで使う、さらにしまうときもダイニングにしまうと決めることで、使用頻度が一気に上がる場合があるんです。2020年のお正月から試してみてはいかがでしょう。

ネット家電はいよいよ普及期に入ったか

「あらゆるモノがネットにつながる」とニュースなどでは数年前から取り上げられてきたのに、一般の家庭にはあまり普及しなかったIoT家電、スマート家電ですが、2019年は実用的な新製品がいくつか登場しました。改めて「スマート家電元年」といっていい一年だったと思います。

2019年の特徴は「AI搭載」をうたう家電が登場したことでしょう。例えばパナソニックのエアコン「エオリアXシリーズ」はネットに蓄積されている気象データに家電自身がアクセスして空気清浄や室温コントロールなどをします。日立グローバルライフソリューションの洗濯機「ビッグドラム」は「布量」や「布質」「汚れの量」などを複合的に調整してムダのない洗濯を行います。

家電同士が連携する製品も出てきました。iRobotのロボット掃除機「ルンバ」と「ブラーバ」は、ルンバが先に掃除をし、終わるとブラーバが床拭きをスタートする連携プレーに加え、片方だけを稼働させようとすると、もう一方の掃除は必要か否かを事前にオーナーに確認してくるなど、お互い相手の稼働状況を共有し、家電同士で連携するまでに進化しました。

「音声操作」も普及してきました。声をかけるだけで操作できる便利さにユーザーが気づき始め、あらゆる家電を音声だけで操作したいというフェーズに入った、といえるでしょう。Amazon EchoやGoogle Homeのようなスマートスピーカーを使って照明やエアコンを操作する家庭は珍しくなくなりました。アイリスオーヤマの「ECOHiLUX」のように照明単体で音声操作ができる製品が登場したのも、そのニーズの高さを示していると言えるでしょう。

家電が離れて暮らす家族をつなぐ

2020年、スマート家電はさらに普及すると思います。

例えばシャープは「COCORO HOME」というサービスで「家電を介して人がつながる世界」を提供しようとしています。スマホのアプリで家電の動作をチェックすると、連携している機器の運転状況や通知などがタイムラインに表示され、外出先からも自宅の状況がわかります。

この機能があれば、自宅だけでなく、遠方で暮らす実家の状況も把握することが可能です。照明や家電が長時間使われていないことがわかったらすぐに安否を確認するなど、早めに対応することができるようになります。これまでもウェブカメラなどを使った見守りシステムはありましたが、わざわざ専用機器を設置しなければなりませんでした。しかしこのシステムなら改めて機器を設置することなく、生活家電を介して家族がお互いの状況を確認できるようになります。

家の中では「個人」を対象とする製品が増えていますが、それらがインターネットとつながることで、離れた場所に住む家族との距離を縮める存在になる。2020年はそんな新しい「家電」の形が見えてくるのではないでしょうか。

(解説 戸井田園子、取材・文 井上真花)

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